【いんちき】の語源 | 日本語の語源 〜目から鱗の語源ブログ〜

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日本語の語源について紹介していきます。

 日本語というのは大和言葉と称されるものも含めて

 「漢字を素材として、日本人自身がつくった言語」です。

 

 今回は【いんちき】の語源を紹介します。

 

 語源がどうしても分からないとされる言葉の一つにインチキがあります。その語源は今もって明らかになっていません。

学者を含め、いろんな人がポルトガル語、スペイン語、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語その他いろいろな外国語で探しても分からないようなのです。 

 著者が学生の頃、東大のある理系の教授が学生に向かって、この言葉の語源を教えてくれたら一〇万円あげるといっておられたほどです。したがって、どんな大辞典で探しても語源は一切明らかではありません。

 

 しかしながら、その語源を明らかにすることは、著者からすれば、さほど困難なことではなく、むしろたやすいことといえます。

 一音節読みで、隠はインと読み、本来は、隠すという意味ですが、隠瞞の熟語があることから分かるように「隠しごまかす」の意味があります。欺はチと読み、「あざむく、だます、ごまかす」の意味です。詐欺、欺瞞、欺騙などの熟語があります。

鬼はキと読み、名詞では「だまし、ごまかし、いかさま、よこしまなこと、こそこそしたこと」、動詞では「だます,、ごまかす」などの意味、つまり、一字だけでインチキの意味があるのです。したがって、インチキのキは鬼であることに間違いないと思われます。漢語では、インチキをすることを弄鬼、搗鬼、做鬼などといい、すべて鬼の字が使われています。

 

 以上から、インチキとは、ほぼ同じような意味をもつ上述の三字を合わせた「隠欺鬼」であり、直訳すると「だまし、ごまかし、いかさま」のことであり、これがこの言葉の語源です。

インチキの意味を一語でいいたいのであれば、これらの中のどれか一つを選べばよいことになります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。