イメージ 1

 「最近、小説を読んでないなぁ~」と思いつつ、読んでみた。文章にリズムがあって、スイスイと読めるけれど、それだけで終わってしまった。感想がない。意味不明。こんな本の読書記録は書きたくないけれど、内容に則したジャンクな読書記録があってもいいだろうと思いつつ。2008年9月初版。

 

 

【東京二十三区の区章を刻んだ陶製の床板マップ】
 ホントにあった、見つけた。南海橋をわたった塩浜二丁目の歩道に、めずらしい東京二十三区の全図。各区域にそれぞれの区章のみが刻まれた、陶製の床板マップを見つけた、噂で聞いていたそれは、目を凝らしていなければ踏みつけて通り過ぎてしまいそうなほどにぽつんと、実在していた。(p.49)
 江東区東陽町から「南海橋」をわたった塩浜二丁目とあるけれど、「南開橋」の誤記だろう。
 タイトルが『地図男』だから、イチャモン。

 

 

【渦巻くジャンクな破壊の衝動】
 ムサシの手には、父親の眼球をえぐった指触りが残っている。いくつもの顔面をなぐりつけて、数えきれないほどの肉を叩き骨を折った、その感触が残っている。それだけだ。おれのこの手にあるのは破壊の記憶だけ。 ・・・(中略)・・・ 20代に突入して、渦巻くジャンクな破壊の衝動は、いびつに歪みだす。自身の拳に、肉体にこびりついた、父親をはじめとする破壊者の悲鳴、恐怖、痛み。それら〈負〉の記憶の氾濫が許せない。という妙なパラドックスにおちいっちゃって。ムサシの衝動は自傷行為へと発展するんだ。うーん、どろどろ。最悪にグロテスクな事態だね。ムサシは粗悪な覚醒剤やLSDで酩酊しては、のべつ幕なし自身を破壊する。(p.90)
 こういう 『ハリガネムシ』 系統の記述を読むと、チャンちゃんなんかは心底ウンザリするのだけれど、ホラー小説の系統には多いのだろうか? 
 テレビドラマでも猟奇的な殺人事件を扱ったものを見ることがあるけれど、このような世界に魅了される人って、やはりそのような霊界を身にまとっているからだろう。ほんとにウンザリである。
 小説にも様々なジャンルがあるけれど、このような系統の小説は、タ・ク・サ・ン である。

 

 

<了>