人に接することが多い人は、この本を参考に変化にトライしてみて、その結果がすぐに確認できることだろう。外見に関する客観的な自己評価用のチェックリストも付いている。
【外見戦略】
私は32歳という若さで化粧品会社の取締役に抜擢され、社長の代理で経団連や経済同友会といった、財界の会合に出席する機会がたびたびありました。「なぜ外見にもっと気をつかわないのだろう」 と、失意まじりに感じていた当時に比べれば、ビジネスパーソンの外見戦略もずいぶん進歩しました。(p.4)
著者は、ノエビア系商品の取締役だったらしい。この書籍の出版元が経済界となっているくらいだから、「外見も大切」 ということは、今日では経済界の共通認識になっているのだろう(か?)。
【白】
視覚だけではなく、肌も色を感じている。
ところで、白い氷の上で演じられるフィギュア・スケートのゴールド・メダリストは、ほぼ毎年ブルーの衣装だという。雪と氷の大地を覆うのは青い空。地中海のような紺碧の海と空を背景にしても、やはり白亜の神殿やカサ・ブランカ(白い家)がイメージ的には圧倒的に美しい。白と青はなんでこんなに仲が良いんだろう。
英国王室ではじめて白のウエディングドレスが注目されたのは、1840年、ヴィクトリア女王の結婚式のときだそうです。工業化社会の発展とともに、「男は外、女は家庭」 という男女の役割分担が進み、結婚後の女性に処女性と従順が求められるようになった結果、そのイメージを象徴する白が花嫁衣装の定番カラーとなったようです。(p.44)
「白」 が処女性と従順の象徴というのは、後付けの理由だろうと昔から思っている。自然の中からとれる素材を使って 「純白」 の生地をつくることは難しいはずである。ある程度の工業技術力がついた段階で初めて 「純白」 の生地生産が可能になったのであろう。そして、それを最初に身につけることができたのは資産家だったのであり、富の誇示としてだったのではないだろうか。
また、白は他の色を引き立てる効果があるので、白い壁の部屋に住む女性は美しくなるともいわれています。
それは、白い壁によってきれいに見える姿を鏡で見ることでホルモン分泌が盛んになるからだそうです。(p.44)
インドのタージマハールを建てた王は、本当に心の底から后を愛していたのだろう。それは、白い壁によってきれいに見える姿を鏡で見ることでホルモン分泌が盛んになるからだそうです。(p.44)
視覚だけではなく、肌も色を感じている。
ところで、白い氷の上で演じられるフィギュア・スケートのゴールド・メダリストは、ほぼ毎年ブルーの衣装だという。雪と氷の大地を覆うのは青い空。地中海のような紺碧の海と空を背景にしても、やはり白亜の神殿やカサ・ブランカ(白い家)がイメージ的には圧倒的に美しい。白と青はなんでこんなに仲が良いんだろう。
【「ネクタイ柄」に求める ”男と女” の逆転現象】
知性が先に立つ男性と、感性が先に立つ女性で、好みの柄が逆転するのは当然だろう。女性の存在の有無を前提としてTPOを使い分ければいいのである。
ある調査によると男性が持っているネクタイの柄は、以下のような順序になりました(『男のファッション基本講座』成美堂出版より)。
1位 - レジメンタル 2位 - チェック 3位 - ドット。
ところが女性が好きなネクタイの柄は、
ところが女性が好きなネクタイの柄は、
1位 - ドット 2位 - チェック 3位 -レジメンタル。(p.69-70)
ストライプのことをレジメンタルというのを今頃初めて知った。知性が先に立つ男性と、感性が先に立つ女性で、好みの柄が逆転するのは当然だろう。女性の存在の有無を前提としてTPOを使い分ければいいのである。
【四季の色】
とかく効率優先で季節を感じられないビジネスシーンだからこそ、季節の要素を服装に取り入れてみましょう。
「四季の色」 という非言語の力は、案外大きなもので、人の感性に直接訴えかける働きを持っています。特に男性は感性トレーニングのつもりで、四季の色を服装に取り入れることで、そして気づいたら口に出してみてください。きっとコミュニケーションが円滑になりますよ。(p.82-83)
今の季節なら、グレー系のスーツに、ピンクの入ったネクタイが合うかもね。「四季の色」 という非言語の力は、案外大きなもので、人の感性に直接訴えかける働きを持っています。特に男性は感性トレーニングのつもりで、四季の色を服装に取り入れることで、そして気づいたら口に出してみてください。きっとコミュニケーションが円滑になりますよ。(p.82-83)
【「プロジェクト・カラー」がチーム力を高める】
テーマカラーが決まったら、「○○グリーンプロジェクト」 「チーム・グリーン」 「○○展示会緑組」 など、何でもよいですから、その後のミーティングやチームの呼び名に色を織り込むことです。
その仕事に携わるときには、各自がテーマカラーを身につけるようにすることを基本ルールにします。不思議なもので、色による定義づけは言葉よりもソフトでありながら、意識に強く刻まれ、チームとしての結束力を強めます。
また、発想も豊かになります。ぜひ試みてください。(p.86)
だそうです。その仕事に携わるときには、各自がテーマカラーを身につけるようにすることを基本ルールにします。不思議なもので、色による定義づけは言葉よりもソフトでありながら、意識に強く刻まれ、チームとしての結束力を強めます。
また、発想も豊かになります。ぜひ試みてください。(p.86)
【色に関する文化】
我が強い。
日本最古の歌集 「万葉集」 から多彩な色合いが使われていたことがわかります。ここで注目したいことは、日本で古くから使われていた植物染料は、重ね染めや交織りなど混色が行われ、微妙な濃淡で独特の中間色文化が発達しました。「侘(わび)」 「寂(さび)」 といわれる枯淡の美学がそれです。
いっぽう、ヨーロッパでは色を混ぜ、中間色をつくることは神への冒涜とされ、それらの色は二流の色と見なされました。しかし、日本では混色が高貴な色とされたのです。(p.126)
二項対立で思考し排中律とまでいって煮詰める西洋の思考は、自然の色彩のほとんどは中間色であるにもかかわらず、中間色を認めない。だからキャンバスの画布の自然色ですら生かさずに完璧に塗りつぶすのである。いっぽう、ヨーロッパでは色を混ぜ、中間色をつくることは神への冒涜とされ、それらの色は二流の色と見なされました。しかし、日本では混色が高貴な色とされたのです。(p.126)
我が強い。
【 「脳トレ」 にファッション雑誌】
文字を読む時とは違った脳の部位が活性化するだろうから、確かに 「脳トレ」 にはなることだろう。
視覚を通じて脳を刺激するトレーニング方法をご紹介しましょう。それは、「ファッション雑誌を買ってみつ」 ことです。(p.167)
文字だって視覚を通じて読むのだから、この場合は “色彩を通じて” ということであろう。文字を読む時とは違った脳の部位が活性化するだろうから、確かに 「脳トレ」 にはなることだろう。
<了>