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 テレビで放映された対談番組が書籍になったもの。著者は昭和5年生まれで、16名の対談者はその近辺の方々。ゆえに大層変わってしまった日本の世相についての話が多い。

 

 

【叱り方】
金平敬之助 : 叱るということは30秒でいいんです。それ以上しゃべりますと “いびる” に変わっちゃうんです。叱ることは叱らなくちゃいけない。しかし、30秒。
早坂 : 田中角栄さんという面白いおっさんがいた。私の親方ですけども、この人は、私を叱るときは自分の部屋で二人っきりでドアを閉めて、ガーンとやるんです。だけど、人前では絶対に言わない。人前では、「いやー、あれもいいところがあるんだよ」 なんて言って褒めて、おだてましたよ。あれは上手だったなと思いますね。(p.32)

 

 

【岐阜という地名の由来】
童門冬二 : 今の岐阜県、岐阜という地名の命名者は信長なんですね。これは中国の渭水という川のほとりに岐山というところがあって、ここから今の中国でも非常に高く評価されている周の武王が起こってきた。彼は何をしたかと言うと、民衆のための政治を行おう、いわゆる徳のある行政を行おうということで中国を平定していった人です。たいていの人はこの周の武王に学べと言う、政治家の見本みたいな人なんですね。それを信長は目指して、岐山の 「山」 を、「阜」 というのは丘ですから、少しへりくだって岐阜に変えていった。(p.106)
 へぇ~。

 

 

【よく喋る人は呆けない】
石川恭三 : お話するというのは、いわゆる口八丁、手八丁、脳八丁と言いまして、脳の発達が非常によくなるんですね。ですからよくお話になるかたは呆けないんです。静かに本を読んだり、一人でいるとか、あまりお話にならないような方というのは、呆けるんですよね。(p.135-136)
 これは、話し相手がいる場合のことだろう。本を読む習慣のない人が一人になったら急速に呆けだす。

 

 

【怪我はオシッコで治る】
石川恭三 : 尾籠な話ですけど、怪我したときはお小水かけるのがいいんですよ。あれは無菌なんです。
早坂 : おしっこが無菌、それは知らなかったなあ(笑)。(p.147)
 海難で漂流している人はオシッコを飲んで凌ぐというし、自白を強要された者はオシッコを飲んで塩分を補給し強靭な意志を保つという効用もある。
 ところで、チャンちゃんが子どもの頃、鶏にオシッコをかけて遊んでいたら、不意に反撃されてオチンチンをつつかれて青ざめたことがあった。オシッコをかけて治ることもあれば、オシッコをかけて傷つくこともある。

 

 

【サナダ虫ダイエット】
藤田紘一郎 : マリア・カラスという有名なソプラノ歌手がいましたね。あの人が若い頃、105キロぐらいに太っちゃいましてね。これじゃ歌手生命もダメになる、何とか痩せなくっちゃというので、いろいろやったんですけど、全部、不成功で、最後にイカサマ師からサナダムシを買って、それを飲んで50キロも痩せた。(p.162)
 この話、以前、聞いたことがあったけれど、寄生虫の効用は他にもあるらしい。
 寄生虫に限らずバイ菌も細菌も、体に寄生することで体内に抗原体をつくるので、それが免疫の役割を果たすのだという。0-157のような病気は “きれい好き” が招く病気。

 

 

【聖なる川】
藤田紘一郎 : ガンジス川なんかに生焼けの死体がぷかぷか浮かんで流れてくる。ウンコもあちこちにどっさり漂っている。その川に男も女も年寄りも子供も入って、顔を洗ったり、体を洗っている。口もすすいでいる。着るものやシーツなんかをバンバン地面に打ちつけて、何百人もが洗濯をしている。あまりの壮観な風景にびっくりしました。だけど、ここの人たちの0-157騒ぎなんかは一度もないそうです。(p.168)
 もともとバイ菌による抗原体を豊富に体内に蓄えているインド人だからこそ。
 “聖なるガンジス川“ だからといって、普通の日本人が入って口なんかすすいだら、(心理的にあり得ないだろうけど)下痢程度では済まないはず。

 

 

【賢明なる日本人女性】
マークス寿子 : 母親を見ていると、つくづくそう思います。日本の母親というのは、日本は男が威張っていて困るとか、家事の手伝いをしないとか言いながら、自分の息子はみんなひ弱な男にしちゃってますからね。そういう男をつくり出すという意味で、責任という点では女のほうが大きいと思います。(p.248)
 当然。

 

 

【世界一堕落している日本仏教】
早坂 : 禅寺の住職の葬式にベンツで乗り付けるお坊さんの話がありましたけど、京都の有名な祇園という花街では、一番のお得意先、常連のお客はお坊さんのようです。料亭のお内儀から聞きました。(p.260)
 ドヒャ!
早坂 : (群馬県)太田の周辺は日本経済の景気がよかったバブル時代、イランをはじめとして随分、外国の人が出稼ぎに来ましたね。だから、怪我をしたり、亡くなる人も多かったようですけど、そういう人の御霊も受け入れて・・・。
松原日治 : 御遺骨も無料でお預かりしていますし、お葬式も無料です。(p.266-267)
 格差社会になっている今日、戒名料とか葬儀料など払えない人々が多くなるのだから、そういった人々は、松原日治さんに無料で戒名を付けてもらって内輪だけの葬儀をすればいい。世間体が大切な人は自腹を切って、ベンツを乗り回す堕落したお坊さんに多額の無駄金を払うんですな。 
 
<了>