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 先月24巻まで読み終わったものの読書記録を今頃書いているから、全体的な印象を忘れてしまっている。部分的に印象的だった箇所を書き出しておくのみ。

 

 

【指導力秘伝その1】
 中小企業が従業員に恵まれることなんて、絶対にありません。初めから、そういう人しか来ないんですから、中小企業には。だから必要な指導力は、家族として面倒を見て、何でも聞いてあげて、温かい人間性を感じさせながら一丸となってやっていく、というものなんです。そいうアットホームな雰囲気が演出できないと、日本の中小企業の場合は指導力にならないわけです。(p.40)
 そうは言っても、著者が経営するいくつもの中小企業の中には、トビッキリの才人が何人もいるらしい。才人たちがそこから飛び立たないのも、経営者の温かい人間性に依るところが大きいのだろう。

 

 

【指導力秘伝その3】
 私が最初に会社を立ち上げたときは従業員が3名で、資本金が50万円でした。そんな小さな会社からスタートしたのですが、私は創業以来、いつも自分よりも大きな会社に立ち向かっていきました。会社が小さいんだから、お取り引きする相手は大きくなければいけない。そうでなければ、自分の会社はいつまでたっても小さいままではないか、と。そう考えて、勇気を奮って大きな会社に飛び込んでいきました。(p.49)
 「この人についていこう」 という気持ちにさせる要素は、何といっても勇気です。(p.51)
 著者は、バナナの叩き売りだってやったことがあると、講演で語ってもいた。なんか、アニメのサクセス・ストーリーのような筋書きに思えてしまうけれど、現実にサクセスを実証しているのだから虚構ではない。

 

 

【指導力秘伝・智仁勇兼備】
 仁というのは、人間としての温かさです。勇は勇気で、智は頭がいいだけではなく、人の心を動かすだけの演説力、表現力のことです。 ・・・(中略)・・・ 。この三つを備えている人を、智仁勇兼備した人と言うんです。(p.53-54)

 

 

【大企業の社長と中小企業の社長】
 (大企業には)プライドだけはやけに高く、何かにつけて偉そうにする。そういう人がたくさんいます。
 それに比べて、中小企業の社長はどうかというと、そんな偉そうにしていたら、誰も仕事をくれませんからね(笑)。 ・・・(中略)・・・ 。だから、面白い人が多いんです。(p.74-75)
 社会人になりたての頃、中小企業の社長さんの話に朝から晩まで昼食付きで付き合わされたことがある。その日、為すべき本来の作業は何もできなかったから日報に嘘はかけないし、どうしようと危ぶみつつ、上司にありのままを話したら、「そでれいい」 と言われてこけそうになったことがある。
 確かに勢いのいい中小企業の社長さんには、面白いし変わった人が多い。睦化成と言ったっけ。そこの社長さんは、お追従を鋭く嫌う人で、私にはそういう性がもともとないし営業でもなかったから話し相手として特別好まれたらしい。聞き時間95%くらいだったと思うけれど、学生上がりの若造が生意気な口を挟んでも、表情を瞬間的に微妙に変えはしたけれど黙って聞いてくれていた。話したことの内容より、そんな表情やら目つきやらエネルギッシュな態度ばかりが印象に残っている。

 

 

【平凡な日々を送っている人との決定的な違い】
 会社をゼロから創業して成功した人は、みんなカリスマ性があります。松下幸之助さんでも土光敏夫さんでも本田宗一郎さんでも、あるいは盛田昭夫さんでもカリスマ性を持っていました。彼らはみな、何度も何度も艱難辛苦を乗り越えながら陰の部分を磨いてきたその結果として霊力が養われ、カリスマ性を身につけてきたわけで、それが平凡な日々を送っている人との決定的な違いなんです。(p.107-108)
 平凡な日々を送っている人々は、自らの大したことのない艱難辛苦の過程を滔々と語りたがる。強烈な艱難辛苦を乗り越えてきた人々は、その過程を黙して語らない。筆舌に尽くし難いほどの状態だったからということもあるのだろうけれど、先んじて古典の教養もあったのだろう。大層な艱難辛苦を、研鑽の過程として肯定的にないし当然のこととして受け入れているに違いないのである。

 

 

【社長像】
 人、モノ、金を集めていくカリスマ性と内面の力、明るく人を引っ張っていく霊力、精神力、それを応援する背後霊団、そして、それらに支えられる形で運気があり、人間としての魅力があり、目に見えない世界からも魅力がある。最終的にそういう人が大きなものを成し遂げていくわけです。
 それを大きくしたのは戦後経済をつくってきた方たちですけれど、中小企業のオーナーというのは、それを小さくしたミニチュア版。それが中小企業の社長像だと思うわけです。(p.137)
 “目に見えない世界からも魅力がある“ と書かれているけれど、神々ですらも魅了されるような人のことをいっているのだろうか。それとも背後霊団とかオーラなど不可視なものが醸し出す誘引力をいっているのだろうか。いずれにせよ、カリスマ性の主要な部分に、目に見えない世界が関わっているのは間違いないことである。このような人物像なり社長像というのは、分かりきったことであるけれど、本を読めば身につくというようなものではない。実践を通じて身につけるしかないけれど、先天的な要素も少なからずあるはずである。
 菱研に属する経営者は、ある条件を満たしている場合、シャーマンでもある著者の守護霊・背後霊団を貸してもらえるというスピリッチュアルな恩恵に浴することができるという。
 
<了>