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 全25巻の中では、比較的ビジネスノウハウの比重が高い巻らしい。経営者を鼓舞する神霊界に関する記述こそが尊いと思うけれど、これまで書き出してしまうと、菱研の営業妨害になるかもしれないので書き出さないことにしよう。

 

 

【BGMの効用】
 ディスプレー以外でも買いたくなるような音楽、これも必要です。BGMで一番効果があるのは、パチンコ屋でガンガン流している軍艦マーチ。あれをかけていたら、みんなどんどん買いますよ。それに対して、スローテンポの音楽を流していたらどうですか。売り上げ、半分ぐらいになりますよ。やっぱり軍艦マーチです。何と言っても景気がいいでしょう。(p.57-58)
 これは、人気商品的なものに関するノウハウである。
 書店が軍艦マーチをかけていたら、返って売れなくなる。客が来なくなる。一時、ブックオフの店員が、ファーストフード店を真似て、元気さやホスピタリティーを強調せんが為にやっていたのであろうけれど、書架を整理しながら 「いらっしゃいませ」 を壊れたレコードみたいに等間隔に繰り返し言っていた時期があった。静かに書籍を選びたい私のような客にとってはこの上ない迷惑だったから、店員に 「うるさいから止めてくれる。本を選びたい客の立場で考えてみれば!」 と言ってやったことがある。本を読まない人が書店を運営すると、とんでもない発想がまかり通る。

 

 

【ディスプレーの原則】
 主と従があるから、主を目立たせるために従はあっさりしておかなければいけない。どれもこれもやると、殺し合っちゃうから、必ず無駄なものを置く。それではじめて主が生きるんだ、と。これは原則です。(p.79)
 自ら絵画も描いて販売している深見所長。絵画のテクニックも援用して説明している。

 

 

【収益性のある仕事】
 この不況の時期は3Kの時代です。私たちも新聞によく広告を出します。危険、きつい、汚い、厳しい、根性が要る。だから5Kです。
 まあ、そういうことで、本当にビジネスの鉄則です。そういうところに収益性とか粗利の取れる仕事があります。簡単に安直にやったものはそれだけの結果しか残らない。それが天地の法則です。(p.126)

 

 

【経営者は独力で研究し、独自の技術を開発せよ】
 勉強し研究して、いつの間にかプロみたいになっているというのが、中小企業のオーナーなんです。丹頂の舞本舗の社長は、寒風さらし製法を完成し、福村牛乳も大手に負けてない。大手に負けない独自なものをだしているということは、大手以上に研究しているということです。(p.119)
 中小企業なんて大手の目の届かないところで細々とシェアを取っているだけだろう、などと思っていたけれど、上記2社の食品業界の事例を読むと、そんな失礼な考え方は、きっぱりと廃棄すべきであることに思い至る。
 この不況でも生き残っている中小企業経営者というのは、やっぱり頭をフル回転させて、体力・気力・精神力を充実させて踏ん張っている。そんな企業経営者に比べたら、サラリーマンなんてリストラされたりはするもののお気楽な稼業であるし、公務員なんて何も学ばず何も頭を働かせずとも生きてゆけるんだから最高に煌めきのない死体みたいな人生を過ごしている。
 
 
<了>