小学生用に編集された書籍。著者は 『世界がもし100人の村だったら』 の共著者でもある。
【普通って・・・】
普通イコール正しい、とはかぎりません。
・・・中略・・・。
現在の世界で、普通の国は貧乏です。金持ち大国はめずらしい。
普通の国はそのめずらしい大国と対決し、必死に自国の産業を経済侵略から守ろうとしています。(p.17)
現在の世界には、平均的という意味の 「普通の国」 は存在しません。 (p.32)
普通って、時代によっても、国によっても、変幻自在に変わっている。・・・中略・・・。
現在の世界で、普通の国は貧乏です。金持ち大国はめずらしい。
普通の国はそのめずらしい大国と対決し、必死に自国の産業を経済侵略から守ろうとしています。(p.17)
現在の世界には、平均的という意味の 「普通の国」 は存在しません。 (p.32)
【戦争って普通の状態?】
20世紀は “戦争の世紀” と言われるほど、世界中で大きな戦争が行われていた。平和とは、戦争と戦争の間の期間に過ぎないと言われるほどに、欧米の歴史観では、戦争は普通の状態と認識されていたのである。
戦争をすれば、戦場になっていなくとも戦争当事国の社会的治安も乱れる。
20世紀は “戦争の世紀” と言われるほど、世界中で大きな戦争が行われていた。平和とは、戦争と戦争の間の期間に過ぎないと言われるほどに、欧米の歴史観では、戦争は普通の状態と認識されていたのである。
アメリカ陸軍の調査によると、兵隊が60日間続けて前線にいると、戦争神経症になる割合は98%。残りの2%は、すでに神経症をもっていた人だそうです。
アメリカにはベトナム戦争に参加した元軍人が350万人いますが、そのうち50万人から150万人くらいが神経症をわずらっているそうです。そして、ベトナムで殺された兵士の数より、自殺した兵士のほうが多いと言われています。帰国してからホームレスになった兵士も大勢います。
つまり、戦争はきわめて異常な状態です。
兵士がやらなければならないことが異常なため、兵士自身が異常な人間にならなければなりません。
大きな戦争をすると、軍隊だけではなく、その軍隊の背後にある社会そのものが異常な状態になります。
たとえば、国が戦争に関わった場合、その国の殺人犯罪率が平均10%上がるといいます。
そう考えれば、戦争だらけの20世紀は普通=正常でもなんでもなく、異常な時代でした。(p.62-63)
んだ。アメリカにはベトナム戦争に参加した元軍人が350万人いますが、そのうち50万人から150万人くらいが神経症をわずらっているそうです。そして、ベトナムで殺された兵士の数より、自殺した兵士のほうが多いと言われています。帰国してからホームレスになった兵士も大勢います。
つまり、戦争はきわめて異常な状態です。
兵士がやらなければならないことが異常なため、兵士自身が異常な人間にならなければなりません。
大きな戦争をすると、軍隊だけではなく、その軍隊の背後にある社会そのものが異常な状態になります。
たとえば、国が戦争に関わった場合、その国の殺人犯罪率が平均10%上がるといいます。
そう考えれば、戦争だらけの20世紀は普通=正常でもなんでもなく、異常な時代でした。(p.62-63)
戦争をすれば、戦場になっていなくとも戦争当事国の社会的治安も乱れる。
これは重要なポイントである。
【軍事力に比例するもの】
それぞれの国が、人類史上最大の軍事力をそなえた20世紀は、人類史上最大の戦死者を生みだしてきました。そして、軍事力の大きな国だからといって、戦争の被害が少なかったわけではありません。
日本の場合、歴史上、もっとも軍事力が強かった時代と、もっとも戦死者が多かった時代は、同じです。
これが現実です。(p.85)
兵器の性能(火力=エネルギー出力)に応じて、殺傷能力と価格は指数関数的に増大する。累々たる屍を見て高笑いしている連中がアメリカを中心とする軍需産業のオーナー達である。こいつらにとって、戦争こそ、最高に美味しいビジネス。メディアを駆使して、どのようにでも 戦争を企画 してきたのである。日本の場合、歴史上、もっとも軍事力が強かった時代と、もっとも戦死者が多かった時代は、同じです。
これが現実です。(p.85)
【アメリカ vs 世界の世論】
アメリカ国内ですら、インターネットによる真っ当な情報の流布は目覚ましく、アメリカの民衆はアメリカ政府の横暴を許容しない段階になっている。戦争に資金を供給する胴元である公共ならざる機関・FRBの解体ですら、テレビメディア内で論じられている昨今である。戦争を正当化し続けてきたパワーエリート配下の巨大メディアはそろそろ縊死を覚悟せねばならないと自覚しつつある状況といっても過言ではないだろう。
現在世界のいたるところで戦争はまだ起こっていますが、それと違った流れもあります。
アメリカがイラクを侵略する直前の2003年1月から4月にかけて、世界各地で反戦デモがあり、およそ3600万人が参加したそうです。2003年2月15日には、世界の800の都市で戦争反対のデモがあり、もっとも多かったロンドンでは200万人が集まったそうです。その日は、人類の歴史のなかで最大の抗議行動として、ギネスブックに記録されています。
当時、「ニューヨークタイムス」 は、これからの世界には、アメリカと世界の世論というふたつの巨大勢力がある、と書きました。(p.87)
世界で唯一の核被爆国でありながら、 “反戦” という世界の世論に最も遅れをとっているのが日本なのではないだろうか。アメリカ追従のトンマ野郎な政治家と、アメリカにすっかり組み敷かれたメディアがいまだに健在なのは、恐らく世界の中で日本くらいなものだろう。アメリカがイラクを侵略する直前の2003年1月から4月にかけて、世界各地で反戦デモがあり、およそ3600万人が参加したそうです。2003年2月15日には、世界の800の都市で戦争反対のデモがあり、もっとも多かったロンドンでは200万人が集まったそうです。その日は、人類の歴史のなかで最大の抗議行動として、ギネスブックに記録されています。
当時、「ニューヨークタイムス」 は、これからの世界には、アメリカと世界の世論というふたつの巨大勢力がある、と書きました。(p.87)
アメリカ国内ですら、インターネットによる真っ当な情報の流布は目覚ましく、アメリカの民衆はアメリカ政府の横暴を許容しない段階になっている。戦争に資金を供給する胴元である公共ならざる機関・FRBの解体ですら、テレビメディア内で論じられている昨今である。戦争を正当化し続けてきたパワーエリート配下の巨大メディアはそろそろ縊死を覚悟せねばならないと自覚しつつある状況といっても過言ではないだろう。
【戦争をしないことを決めた人たち】
戦争に反対する意見をもつだけでなく、戦争をしないことを決めた人たちもいます。
・・・中略・・・。
また、戦争に参加しないと決めた個人が、兵士にならずにすむ権利を認める国もふえています。現在、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、フィンランド、南アフリカ、イスラエル、オーストリア、スペイン、ギリシャ、スイスなどの国々で、良心的兵役拒否の権利を守る法律ができています。
戦争をしない個人がどんどんふえれば、国の政府が戦争をしたくてもできなくなるでしょう。
21世紀には、戦争はやっぱりやるものではない、という 「常識的な常識」 が普通になってくるでしょう。 (p.89)
政府の横暴な実力行使に異議を唱える者達を、 “愛国者法違反“ の名のもとに投獄してきたアメリカですら、民衆の意見が国を変えつつある。・・・中略・・・。
また、戦争に参加しないと決めた個人が、兵士にならずにすむ権利を認める国もふえています。現在、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリア、フィンランド、南アフリカ、イスラエル、オーストリア、スペイン、ギリシャ、スイスなどの国々で、良心的兵役拒否の権利を守る法律ができています。
戦争をしない個人がどんどんふえれば、国の政府が戦争をしたくてもできなくなるでしょう。
21世紀には、戦争はやっぱりやるものではない、という 「常識的な常識」 が普通になってくるでしょう。 (p.89)
このような世界情勢がわかっていないのは、日本人だけである。
<了>