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 ユダヤ立法主義に基づいて今日まで歴史が作られ続けている、という国際史観の書籍。トーラーを基礎にした 『シオンの議定書』 というような陰謀史観の書籍があるけれど、それに準ずる内容の著作である。しかし、日本とユダヤ民族に共通する部分を記述しているところもある。

 

 

【イスラエル】
  “イスラエルのイスラは戦うで、エルは神”、 “神武天皇も武神で、戦う神” であった。 (p.57) 
 イス(神)ラエル(勝利)という語源分解解釈はよく聞く。映画などでもラエル(またはラヘル)という名前で登場する人物はユダヤ人と判断してほぼ間違うことはない。
 「神の勝利」 が表の意味であるとするなら、「戦う神」 は裏の意味ということなのだろう。

 

 

【宗教改革 と カトリック王家の殲滅】
 宗教改革は主として神学上の問題であり、国際史学としてはほとんど高い価値を有しない。しかし歴史の必然として 「総力戦・準備段階」 の “源泉” であることは間違いない。
 簡単に説明すると、カトリック勢力の演繹的統治(専制・独裁)から、プロテスタント勢力の帰納的統治(民主制への移行)である。  (p.86)
 事実 “カトリック系王家・君主” の王冠はすべて打ち壊され、存続している “王家・君主” はすべて “プロテスタント系” のみである。 (p.119)
 と言うことで、120ページには、その一覧が掲載されている。

 

 

【長崎に原爆が落とされた理由】
 アジア蔑視、黄色人蔑視という視点では説明ができない。何故なら、長崎は、日本で最もキリスト教徒が集まっている地域だったからである。
 長崎は “遺恨なり二千年” カトリック勢力占拠の地である。 (p.146)
 キリスト教徒という括りでは判断を誤ってしまう。カトリックの地かプロテスタントの地か? がポイント。
 なお、バーゼル・クラブで有名な、国際金融の特殊地帯であるスイスはというと・・・・
 スイスは憲法で “カトリック・イエズス会” の活動を断固禁止している。 (p.126)
 教皇権力とそれを背景にした王権を無力化したユダヤ勢力が、その後に目指したのは、専制君主の無力化である。

 

 

【ユダヤの二つの系譜】
 全地球の “ユダヤ人コミュニティー” から “専制君主打倒” の火は “めらめら” と燃え上がった、否、燃え上がらせたのである。
 老ユダヤ人は言う、「宮本憲治はユダヤ人か」 と。
 その時ロシアで結成されていたのが 「ブント=同盟」 であった。 “ブント” とは、ユダヤ人を中心として組織された “ツアーの専制に対する抗議団体” でイーディッシュ語である。イーディッシュ語とは、ヘブライ語、ドイツ語、ロシア語、東欧語等の混成語で、主として情報交換に用いられ、イーディッシュ文化も花開いた時代がある。
 このイーディッシュ語を用いたユダヤ人は主として “アッシュケナーズ系” であり、 “スファラド系” はこの政変をさほど喜ばなかった。その代表がイギリスを支配する多数は、いわゆる “スファラド系ディアスポラ” (アングロ・サクソン)である。
 日本へシベリア出兵を要請したイギリスでは、この “スファラド系ディアスポラ” の意向が強く、逆にアメリカを支配していた “アシュケナーズ系ディアスポラ” は極めて消極的であった。こうした背景を知らない日本は、アメリカ・アシュケナーズの忠告を全く無視していつまでも留まっていたため、痛撃を喰って逃げて帰った。(p.122)
 米ソが対立しているように見せかけながら、実は “アシュケナーズ系ディアスポラ” として通底している事実がここにも記述されている。
  《参照》   『泥棒国家日本と闇の権力構造』 中丸薫・ベンジャミン・フルフォード (徳間書店)
             【ロックフェラー】
 このような時代背景の中で、日本は良いように踊らされ使われたのである。
  “アジア軽視と蔑視” の意識から日本は、欧州における 「総力戦・決戦段階」 へ調子よく組み込まれていった。 “日清戦争はアジアの専制君主清朝打倒” 、 “日露戦争は気候的障害の地を支配する専制君主ロマノフ王朝打倒” 、これに対して “シベリア出兵” は欧・米が始めて割れた “世界統治の理念” の相違であった。
 イギリスのユダヤ人ロスチャイルドは “ブント” へ、アメリカのユダヤ人クーンロエブは “日本” へと、それぞれ戦費を用立てた理由はこれでお分かりだろう。 「左手で金を貸し利息をとり、その金を右手で受け取って武器を売ってまた儲ける」 (p.131)
 シベリア出兵に関しては、「欧・米が始めて割れた “世界統治の理念” の相違」 というよりは、「2つの専制君主打倒の目的を果たし終えた日本を、欧・米が協力して良いように潰した」 と言うほうが正しい解釈なのではないだろうか。「Wユダヤの奸智、これに勝るものなし」 という感じである。

 

 

【ユダヤ人と日本人の感性の共通性】
 私を含めて日本人の好きな 「ロシア民謡」 は、そのほとんどが  “ディアスポラ” の作詞作曲である。ちなみに 「走れトロイカ」 の作詞は “イーディッシュ語” であることを付け加えておきたい。ユダヤ人と日本人の感性の共通性を見出すことが出来るはずである。 (p.124)

 

 

【ユダヤと日本】
 カトリックの教皇権力、専制独裁権力のいずれも存在せず、それらとは違った天皇制の日本は、ディアスポラ(民族離散)となったユダヤ人がもっとも住みやすい “安住の地” であったはず、という記述がある。
 「極東軍事裁判」は “昭和天皇免責の儀式”  (p.153)
 「無私なる天皇の心に感動したマッカーサー」 に関する記述は、多く見かけるけれど、著者のような 「極東軍事裁判史観」 は珍しい。
 日本国憲法の草案作成に関わったユダヤ人が “世界の理想” を込めて日本国憲法前文を記述していたと仮定し、その前文を読んで美しいと思い感動してしまうような “あまりにもウブで清らかな日本人” がいると仮定する。そのようなユダヤ人と日本人は、案外、魂の底で繋がっているのかもしれない。 
 
 
<了>