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 大学時代、関西弁にはかなり慣れ親しんでいたけれど、最近は吉本興業の隆盛で、狎れてきた関西弁である。
 「アメリカ」 との類似性に関する記述に関しては、分かるような気もするけれど、それほど鮮明に 「分かった」 とはいえない。 「なには」 には長い歴史がありすぎるのである。

 

 

【和泉ナンバー、スモークドガラスのベンツ】
 東京だと、動き出さないクルマがあっても、ひと呼吸置いてからクラクションを鳴らすが、「なにわ」 では、とにかく間髪をいれずに鳴るのでウカウカしていられない。
 ただし、さしもの 「なにわ人」 も 「和泉」 ナンバー、スモークドガラスのベンツにはクラクションを鳴らしたりはしない。そのスジの人が乗っていることが多いからだそうである。 (p.52)
 関東のオデンには、牛スジなど入っていない。関西には何かとスジが多い。

 

 

【マンガも 「なにわ」 が発祥の地】
 マンガも 「なにわ」 が発祥の地であるともいえる。マンガの元祖といえば、平安時代の末期から鎌倉時代の初期にかけての時代に生まれた 『鳥獣戯画』 であるとされている。作者は鳥羽僧正だったが、江戸時代の享保年間、その鳥羽僧正の名前を取った、鳥羽絵なるものが出版された。始まったのは京都だったが、それを出版物として売り出したのは 「なにわ」 の業者である。 (p.87)
 手塚治虫さん。描いていたのは東京に来てからだけど、出身は大阪の人。

 

 

【大手商社のほとんどは 「なにわ」 が発祥の地】
 商社では三井物産、住友商事、三菱商事、丸紅、伊藤忠、カネボウ、江商(現在は兼松と合併して兼松江商)、ニチメン、トーメン、このほか、野村証券、日本生命、積水化学、富士写真フィルム、藤沢薬品工業、武田薬品、大林組、竹中工務店、旭化成、藤田観光など錚々たる企業群が大阪で生まれた。
 ところが、戦後になって、東京への一極集中が進むにつれて、本社機能を東京へ移さざるをえなくなり、・・・(中略)・・・、よく言われる関西経済圏の地盤沈下の元になっている。 (p.108)
 文化事業・社会事業にお金を投じているところが少なくない。サントリー、シャープ、松下電器、クボタ。 (p.147)
 流石は堺商人の血脈を受け継ぐ 「なにわ」 でんなぁ。
 

【 「なにわ人」 】
 「なにわ人」 のファッション感覚は、ポップアートのそれに近い。そしてポップアートといえば、その本家はアメリカである。あの原色をふんだんに使った色づかいこそが、「なにわ人」 の感覚にいちばんフィットするのであろう。
 そして、その淵源をたどると、他人よりいかに自分を目立たせるかということに腐心していることが浮かび上がってくるのだ。 (p.78)

 遠まわしな言い方、婉曲的な表現というものが大阪弁にはあまりなのである。  (p.102)
 
 ここに面白いデータがある。それは、都道府県庁所在地のうち、大阪市は持ち家率が56.8%で全国で断然ビリなのだ。
 これは言い換えると、「なにわ人」 は、土地・家屋に対する執着が首都圏の人々に比べて強くないことの証である。 (p.173)
 そんなものより、毎日を陽気に明るく暮らすこと、あるいはおいしい食べ物を安く食べること、あるいは男性なら、美しい女性を愛することのほうに、より多くの楽しみを見出しているようなのである。 (p.175)
 犯罪発生率日本一の大阪。ヤクザが最も多い大阪。水商売の先駆都市大阪、食い倒れの街、などなど、大阪は、現在でも朝鮮人・中国人を主体とする(在日)外国人がもっとも多く居住している国際都市なのだから、このような特徴的な性格を持つのは当然だろう。アメリカ人的と表現するより、朝鮮人的とか中国人的と表現したほうが相応しいのではないだろうか。
 戦前は、済州島と大阪間には定期航路があったのだし、徳川時代以前は難波が日本の国際港だったのだから、日本の平均値をさまざまな点で上回っていて、あるいは下回っていて、当然である。
 
 
<了>