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 著者は新宿歌舞伎町で「新宿救護センター(通称:駆け込み寺)」を運営している方。
 在日韓国人として大阪で生を受け、転々とした生活の後、33歳で比叡山で得度を受けたという。発病すれば余命1年という白血病ウイルスの保有者であることが判明して以来、このボランティア活動を行っているそうである。

 

 

【受け入れる】
 人の話を聞いて、苦しいと思うのは拒絶するから。全部受け入れればいい。相手の言っていることを全部受け入れればいい。全部聞いてあげる。自分で拒否したり、反論しようと思うから苦しい。 (p.17)
 こういった話を聞くと、波を遮ろうとする防波堤と、波に浮かぶブイの違いをイメージしてしまう。どちらの方により耐久力があるかは言うまでもない。

 

 

【挨拶】
 挨拶って、最初にすることで相手の心を開いて警戒心を解くのが目的なんや。自分の心を開いてないと、相手も開いてくれないやろ。だから最初に挨拶せな、あかん。 (p.61)
 草柳大蔵さんは、挨拶とは、“心を開いて、相手にせまる” ことであると書いていた。心を開いた挨拶に加えて、具体的に一歩前に進み出て挨拶してみるならば、そのように挨拶された人は、挨拶した人のことを印象深く何時までも覚えているに違いない。

 

 

【小指が一番大切なんよ】
 ふつうは小指って意識しないけど、実際に小指なしでものを強く持つことってむずかしい。ものを強く持ったりするときに、わかるはず。いっぺん試してごらん。 (p.87)
 元横綱、千代の富士が、「相手のまわしを取る時は小指から」と話していたのを覚えている。片手でラケットをコントロールするテニスやバトミントンのような競技では、小指の長さが選手の能力にかなり深く関係しているのではないだろうか。リストを使って強く振り切ったとき、最も負荷のかかっているのが支点となる小指である。
 小指って、昔から女の人のことをいうやんか。女は男を、いつまでも見えないところで支えてくれる。小指といっしょや。 (p.87)
 手相鑑定では、小指で子どもの因縁を見ている。小指が短いと、子どもと縁が薄い、または実際に子どもがいない、と判定される。他にも読み方はあるらしいが、女の人という解釈は、あくまでも俗解だろう。

 

 

【汗動】
 感動は一瞬で終わってしまう。そうではなくて、大変な思いをして、汗をかいたときに覚える感動が大事なんや。汗をかいた感動によって自分の記憶に刻まれる。だからそう簡単には忘れへん。
そういう「汗動」をたくさんせなあかん。 (p.105)
 おもろい説明でんねん。ええなぁ。
 

【あふれかえってるから、今の満足をわからへんねん】
 美味しいものがたべたければ、半日何も食べるな。「すきっ腹にまずい物なし」や。 (p.136)
 そうだす。 
 そやけど、わて、半日では腹すかんねん。どないする?

 

 

【必死】
 いずれはみんは死ぬんやから、その力を出せばいい。
 必死は当たり前。
 必死をしないほうがずるい。
 たまには生命を燃やしたらいいんちゃうか?  (p.116)
 ドキッ。
 わて、ずるいやっちゃ。
 自分で命燃やしとかんと、後で背中や尻に火が付いてカチカチ山になるんやろなぁ。
 消火器もって走るのもシンドイよってに、先に命を燃やしとかにゃぁ、あかんのやろなぁ・・・。
 
 
<了>