イメージ 1

 タイトルから予想された内容とは異なっていたけれど、体験談主体の内容なので、興味深く読めるし、読んでいて楽しい。人生を考えている若者向けに相応しい本なのだろう。

 

 

【著者・体験談の概要】
 背表紙にはこう書かれている。
 人間、パンタ笛吹きの数奇な一生(まだ終わってないけど・・・)
 未熟児+逆子→グリコのおまけを飲み込んで死ぬ目にあうが、オートバイで悪路を病院へ走る間に吐き出される→自転車事故で九死に一生→心中未遂(生残る)→ピッピー→飯場作業員→ちり紙交換→墓堀人夫→やっちゃん(テキヤ)ドサまわりで№1に→アメリカへ・・・<運命ちょっと転換>・・・ペンキ屋で少し成功→はしごから落ちて大怪我・・・<運命大いに転換>・・・寿司屋の方がいいと思う→「寿司三昧」を経営、大成功!→しかし友人に店を任せて自由人(魂の遊び人)になる・・・ふう・・・
 成功に至るまで、国内海外を放浪していたいわゆるエグザイルだった著者なので、多くの若者が興味を持つのではないだろうか。

 

 

【笛吹きの由来】
 日本国内をヒッチハイクしていた時、路上での資金集め。
 そして、工夫のとどめとしては、段ボール紙にマジックインキで、「愛と平和の未来のために・・・・・自由円カンパを!」 と書いて、看板にしたのです。それだけのセットアップをしてオカリナを吹き始めると、まわりに人だかりができて、みるみるうちに帽子の中がじゃらじゃらとお金で膨れ上がりました。そのころから、人はぼくを 「笛吹」 というニックネームで呼ぶようになったのです。 (p.52)
 勇気あるよね~。笛吹きさんの知恵と工夫と実行力は秀でている。この辺が企業家向きの資質である。

 

 

【自分に相応しい人々との出会い】
 アメリカにわたって成功してゆく過程での初期段階。その時の最重要問題、永住権取得がクリアできたことの顛末が記述されている章の最後の部分。
 自分に素直に、相手にオープンになったとき、そんな自分に相応しい人が次々と人生に現れることを、ぼくは身をもって体験しました。そして、それからのぼくの人生が、もっと広がっていったことを今も喜びとともに味わっています。 (p.73)
 著者の行動に応じて、まさかと思われるような縁が結実したのである。
 縁、縁、縁・・・・・・・・これって全てかな。

 

 

【宇宙と遊ぶんだ!】
 「そうだ!今日から10年間、ぼくは喜び勇んで働いて一生分の基礎を作ってしまい、10年後の今日からお店を人に任せて、宇宙と遊ぶんだ!」
 これは宇宙との約束です。なんだか宇宙から「ああいいよ!」という声が聞こえたような気がしました。自分にとってはベストの占いです。ぼくは自分自身にひらめいたこの大吉の占いを、心から信じることにしました。 (p.88)
 次の日、デパートに行って豪華なノートを買い、10年後のビジョンを具体的に書きつけたのだという。
 「いつかはこれができればいいのになあ・・・」 なんて、寝言を言っているだけでは、それは何時までたってもできっこありません。日付のないゴールには、エネルギーが宿りません。目標には必ずタイムリミットをもうけるのが、サクセスのコツです。
 さあ、エキサイティングな「ドリーム・カム・トゥルー」への旅が始まりました。 (p.89)
 ここから、「寿司三昧」を経営、大成功!へと至る話が始まってゆく。
 しかし、著者のような成功例はともかく、「寝言は好きだけれど努力は嫌い」 って言いたくなってしまう人が多いのではないだろうか。「努力できるかどうかは既に才能の領域」 に思えてしまうのであるけれど、吉と出た占いを信じることで努力できる人は大勢いるのであろう。織田信長のように、「占い吉!」 を演出して自らの軍隊に成功を確信させ、かつ実現した人物もいるのだから。
 ところで、「宇宙と遊ぶんだ!」って表現、なんかスッゴク良い!。
 「遊ぼう、宇宙ちゃん・・・」 っていったら、遊んでくれるかなぁ・・・・・・・・
 
<了>