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 著者は、上智大学協力によるインターナショナル・ハウスを経営されている方。
 全て著者の実体験から記述されているので、さまざまな事例から具体的に学ぶことができる。

 

 

【研究者間での日英文化摩擦】
 イギリス文学の日本人学者と、日本研究者のイギリス人の、日英文化摩擦。
[日本人学者]  「冗談じゃないよ。研究者が日本に来て、日本学を修めるというのは、・・(中略)・・。君たちは暇さえあれば、英語で個人的営みに忙殺されているではないか。・・(後略)・・。」
[イギリス人研究者]  「私にとって個人の幸福のために学問があり、とりわけイギリス文化との比較対照としての日本文化なのです。私は日本文化研究のために自らを犠牲にしようとは思いません」  (P.51)

 

 

【ビック・ボックス】
 高田馬場駅前に、「ビック・ボックス」というスポーツ施設がある。この「ビック・ボックス」というのは英語のスラングで、誰にでも身を許すみだらな女、という意味があるらしい。  (p.76)
 高田馬場周辺に住んでいる人は、待ち合わせ場所によく使うから、これは知ってないとマズイことになりかねない。

 

 

【警察官の偏見】
 ところが警官というものは概して、発展途上国の外国人には頭から疑ってかかるものの、白人は嘘でも信用するものらしい。・・(中略)・・。なぜ、私がこのアメリカ人の嘘を見破ったかと言えば、その鍵は、「欧米は訴訟社会だ」 ということである。 (P.109)
 日本人同士でも若者と老人が争えば、警官は一方的に若者を犯罪者扱いする。しかし、天下りなどの事例に見られるように、名誉や地位を巧みに使った老獪な犯罪者は、殆ど老人である。

 

 

【国際結婚の国籍】
日本  :両系主義:父か母かいずれかが日本人であれば、日本国籍がとれる。
アメリカ:生地主義:アメリカで生まれた子供は、両親の国籍にかかわらず米国籍をとることができる。
韓国  :父系主義:父親が韓国人でなければ、韓国籍はとれない。  (P.166)
 加賀まり子さんや万田久子さんは、未婚の母としてアメリカで出産していたのだという。この場合、生まれてきた子は2重国籍になれる。どちらを選択するかは、20歳になったとき自らの意志で選べばいいそうである。
 銀座の売れっ子ママとして有名な、ますいさくら著 『ロスト・ベイビー』(PHP)では、ハワイで出産して生まれた我が子は、アメリカの法律により、アメリカ人なので日本には連れて帰ることができなかった、と書かれていた。つまり、アメリカ人の里親にあずけて養子として育てられねばならないと・・・。
 センチメンタル・ジャーニーでハワイに行って出産、などと安易な考えを持つ前に、よく調べておいたほうがいい。アメリカでは出産の費用もとんでもなく莫大になる。
 
<了>