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 いろは四十八文字、呼吸法、書道を合体させた書家の書いた本。国旗・日の丸をイメージした表紙である。なるほど、日本以外ではできない書法である。
 この書法を説明するにあたって合気道の開祖・植芝盛平さんに関する話が重要なポイントになっている。


【書に顕れる墨気】
 ある書道の研究者が、初心者の書いた文字と、達人の書いた文字の墨の組織を電子顕微鏡で調べた結果、達人の文字の墨の分子はきれいに並んでいるのに対して、初心者のものはばらばらに乱れていたと報告しています。 (p.21)
 書にあらわれる「気」とは、ある種の生命エネルギーであると思います。そして「気」が身体から腕を通じ、筆の穂先を通って墨の中に吸着することで、そこに描かれた線が「気」を発するということになりましょう。 (p.72)

 

 

【仮名は神名】
 かなは今は仮名と書きますが、かつては神名と書いて「カムナ」と読みました。ですから、いろは四十八文字というのは、四十八の神様の姿、象徴であるといえます。 (p.26)
 「言(ことば)」とは、「言霊(ことだま)」と訳すべきであると言霊学では言われている。神道とは切っても切れない関係の言霊。したがって、この書籍には神道で伝えられている幾つかの重要なポイントが数箇所記述されている。
 長呼気丹田呼吸法という吐く息を長くした腹式呼吸法を用いて肉体を整え、仮名を発声しながら書に臨むことで言霊の霊力を取り込み、それを書に反映させるということらしい。
 要は、心の垢を取り去って、清明な状態で神を取り次ぐということのようである。
 
<了>