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 人間の体のしくみは6歳を境にまったく異なったものになる (p.116) という。体と脳は連動しているから、実は6歳以下の幼児は、大人とは全く違った脳の使い方をしている。この期間に複数の言語を入力しておけば、語学習得は容易なのだという。
 

 

【右脳と左脳という対比】
 幼児は語学の天才です。言葉を覚えるのに特別な頭の働きがあります。0歳~六歳までの子供の頭の働きと、それ以降のこどもの頭の働きはまるで違うのです。 (p.12)
 その違いを対比的に記述するならば、以下のようになる。
 《右脳》:0~6才:聴覚優位:α波:全体把握:感性的
 《左脳》:6才以降:視覚優位:β波:分析把握:論理的
 α波とは、熟達した禅僧が深い瞑想に入っている時の脳波であり、とてもゆったりとした脳波。リラックス状態でないと、この脳波にはならない。ストレス状態では学習も無駄ということ。通常の人間の生活状態ではストレス状態よりのβ波になっている。
 優れた音楽家に必要な絶対音感は6歳以下の年齢でなければ習得できない。各国語によって周波数領域が異なっているため、6歳以下の年齢で各国語特有の聴力を獲得しておくことが重要になってくる。人間の五感の中では、視覚が論理性と最も深い関係にある。


【言葉は対話で学ぶものではない】
 言葉は対話によって学ぶものと思われていますが、事実はそうではありません。対話方式で学ばせる学習方法は出力形式の学習法です。出力形式ではなく、入力形式で学ばせることが重要です。 (p.22)
 つまり「両親が英語を話せなくても、CDなどで英語を聞かせ続ければ、子供はバイリンガルになれる」ということである。
 また、入力形式が重要とは、「入力が十分行われれば、おのずと出力は行われるようになる」ということを意味している。
 6歳以下の幼児であるならば、毎日、20分から30分、英語の音に晒しておくだけでも十分効果があることは幼児脳の特性からよく分かる。幼児脳は難なく丸暗記ができてしまうのである。

 

 

【多言語の海で育てる】
 多言語をいっぺんに耳にして成長すると、言語が混乱して母国語さえあやしい子が育つとよくいわれますが、ユダヤ人の事例を見れば、それがいい加減な作り話であることがわかります。 (p.30)
 流浪を余儀なくされ、複数の他言語環境下で生活しなければならなかったユダヤ人。トーラーの丸暗記を遵守していた宗教文化的生活環境を含めて考え合わせると、幼児脳育成手段に長けていたことが、多くのノーベル賞受賞者を排出するような民族の優秀性に関与しているらしいと判る。

 

 

【幼形に戻っての再出発】
 歴史に名を留めている天才達は、実は大人になっても幼児脳の特性を保持していた人々なのである。レオナルド・ダ・ビンチしかり空海しかりである。現在でもマルチな才能を発揮している人々(霊覚者)は、このような特異な脳を持った人々である。
 生物の進化が誤りであった場合、幼形の地点にまで戻って進化がやり直されるという “幼形進化論” があるけれど、現在の人類が抱えているさまざまな問題は、左脳でしか考えることのできない大人たちの心配をよそに、幼児脳の特異性を保持したまま成長してゆく子供たちによって、解決されることになるだろう。
 
<了>