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 うーん、深みのない本だった。やはりこの本は考古学者の書いた本である。しかたがない。


【当事の平均寿命】
 おそらく長い人生といっても男は32歳、女は30歳というのが当事の平均寿命であるから・・・(p.38)
 当事の衛生面を考えればこんなものなのだろうけど、少し短すぎる気がしないでもない。しかし、今でも日本人観光客は下痢になって戻る人が多い。私などは血便が1週間も続いて検疫局から医者に言って診断と受けるようにと命令を受取ったことがある。ホテルで使われていた氷が原因だったとかの理由だからどうしようもない。

 

 

【テーベ】
 テーベは、紀元前1565年から同1070年頃、いわゆる新王国時代といわれている時代には約500年間、宗教・政治の中心として全エジプトに君臨していた。
 その秘密はルクソール(テーベの現在名)周辺でナイル川が大きくカーブしていて、土地が大きく広がっており農業生産が他の地域より多いため、たくさんの人たちが食べてゆけるために力をもったということであろう。(p.50)
 カイロから飛行機で一時間ほど飛んだナイル川上流にあるテーベである。農地が広く取れたとはいえ、よくこんな所に文明の中心地ができたものだと思うのだけれど、著者は、その時代の時間感覚は緩やかなものであったから支障はなかったと説明している。
 因みにこのルクソール、限られた中心地域以外は、現在でも電気も電話もなく、住民は土で出来た住宅に住んでいる。「数年前に例外的に雨が降った時、住宅は全て潰れてしまった」 とガイドさんが説明していたのを覚えている。

 

 

【バイブルの語源】
 パピルスは王の直轄の工場で作られ、今のレバノンにあるビブロスというところでオリエント方面に売られていた。だからオリエント方面では紙のことをビブロスという名がつけられていて、・・・。バイブルも、もとはと言えばこのビブロス=紙から語源的にはきているのだ。だからバイブルは紙でできた本ということになる。すなわち本の中の本、唯一の本ということで聖書ということになるのである。 (p.81)

 

 

【1週間は5日】
 古代エジプトでは5という数字が重要で、5日で1回転と考えていたようだ。分かりやすく言うと、古代エジプトでは1週間は5日ということになる。だから1ヶ月は30日《6週間》、1年は12ヶ月、よって1年は360日となる。しかし実際には5日余るので、この5日間を補充の日として、オシリス神、ホルス神、イシス神、ネフティス神、セト神の日と名付けお祭りや儀式を行っていた。
 それでも4年に1日の違いが生じてしまうので、1460年たたないと元に戻らない。これをソテス周期といって、1460年に1回、太陽とシリウス星が真東に同時に出る現象と一致している。 (p.96)
 ギザの3大ピラミッドの配置はオリオンの3星に対応していることは、グラハム・ハンコックの書籍などでよく知られているけれど、ソテス周期のことも語られていたのだろうか。
 ところで、私がこの本を読んだのは、イシス神に関してどのような記述があるのか確認したかったからだ。しかし、エジプト神話のありきたりな内容と、この部分の記述だけだった。ブラバッキー婦人の 『ベールを脱いだイシス』 みたいな内容を、考古学者の書籍に期待するのは、のっけからお門違いなのである。
 日本とエジプトの神霊界は繋がっているのだが・・・・。
 
<了>