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 松坂が移籍したレッド・ソックスのある「ボストン」というタイトルに引かれて読んでみたけれど、ボストンに関することは序盤に書かれていた程度。普通の日米文化比較という内容の本だった。


【ボストンには所得税がない】
 ボストンは、ハーバードなどの大学が集まる都市で、高額所得者の居住率がかなり高い都市でのあることをテレビで報じていた。しかしそうなる理由を説明してはいなかった。この本を読んでいて理由がわかった。「所得に対する州税がありませんので」 (p.18) と書いてある。
 高額所得者であればあるほど、例え1割でもその額は膨大になる。その額を子供の教育費に回せばいいのだから、高額所得者と彼らの寄付金で維持されている優秀な私立大学が、相互扶助の関係でボストンという都市で共存しているわけである。
 分かりきったことではあるが、税金は多く取ればいいというものではない。


【ボストンの街並みは最も西欧的である】
 アメリカ国内を旅行してきた西欧人は、ボストンの街並みを見て安心するのだそうである。なにせ、ボストン周辺はニューイングランドと呼ばれ、ピルグリムファーザーズが最初に上陸した地域なのだから、そうなったのも当然なのであろう。


【ボストンの料理は “日光の手前” 】
 美しい街並みの裏には、欠点もある。料理である。その理由はニューイングランドという地名がヒント。イギリスに行ったことがある人なら、これだけでボストン料理が “いまいち” である理由は十分に分かるであろう。この本にはこう書かれている。
 ニューイングランドにはイギリス人が定着したためか、お料理はいまひとつです。私がそう思うのは、同じ北アメリカでも、フランス人が住み着いたケベックやニューオーリンズはお料理が美味しいからです。 (p.34)


【大和田雅子さん】
 私が大和田雅子さんの存在を知ったのは、・・(中略)・・町の新聞にお名前が出たからです。高校になると中間・学期末試験の成績が良かった人の名前が新聞に載りますが、私の知る限り日本から来て間もない人の名前が出たのは初めてでした。 (p.58)

 皇太子妃となる前の雅子様。優秀すぎてお嫁にもらってくれる人が皇太子様しかいなかったのかもしれない。ところで、愛子様は絶対に雅子様に似るべきであったのに悲しいかなパパ似である。誰のせいだ!などと言ったら浩宮様に睨まれそう。まあ、それでも愛子様のお顔立ちは日本人形のようなので、多くの国民に愛されているはずである。私も好きである。


【勝利者が好きで、敗北者を忌み嫌うアメリカ人】
 ルーザーが人から見向きもされなくなるいい例があります。大統領選でブッシュに負けた元マサチューセッツ州知事が、フォーラムで話しをすることになりました。その彼の公演には驚いたことにアメリカ人はほとんどこなかったのです。 (p.100)

 


【褒めれば良いってもんじゃない】
 私はアメリカの子供は、努力しなくても褒められるので、少数の例外を除いて、もっと勉強をしなければと思わないのではないか、また、外国の生徒と比較した場合にも、テストの成績が悪いことの一因になっているのではないかと考えています (p.113)

 スタンフォードでドクターを取得し教育者となっている台湾人と英会話ではなく英単語で話していたとき、逐一会話の後に “good”といっていたので憮然としたことがある。褒めれば良いってもんじゃない。「過ぎたるは及ばざるが如し」である。
 アメリカ人の平均的な成績が悪い原因は、崩壊してる家庭、問題を抱えている家庭が多いからである。アメリカには夫婦間だけではなく、親子が断絶している家庭がとても多い。安心できる環境のない子供の学力が伸びる訳などありっこないではないか。過剰な褒め言葉よりも、子供にとって安心できる家庭環境の方が遥かに重要である。

 

 

<了>