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 著者は、世紀末の「ノストラダムスの大予言」 シリーズで懲りずに、まだこんなタイトルの本を書いている。予言は、予言がなされた時点で見える未来を語ったものであり、未来は固定されたものではない。ゆえに、世界は予言で動いている、ということはありえない。ウソである。


【寺とテラ(地球)】
 タイトルではなく、横帯を見てこの本に興味を持ったのであるけれど、この内容を深く追う記述は本文中にはなかった。だから私が勝手に書く。
 テラはラテン語で地球を意味する。竹宮恵子のSFマンガに 『テラ(地球)へ』 という作品があったので、寺=地球ということは、竹宮作品を愛読した多くの読者にとっては既知のことである。マンガ家を含む芸術家は、優れた感性で未来を予知していることがあるので、決して侮ることはできない。


【テラとテトラ】
 ところで、テラに似た単語にテトラがある。これは数字の4を意味する。テラとテトラに語源的な関連があるのかどうかは知らないが、霊学的には強い相関がある。4はカバラでは物質界の基本数であり安定を意味する。地球は物質過程の生命形体を必要とする特異な星である。聖徳太子が作った四天王寺は、その名の通り4を配する寺である。四天王寺と法隆寺を他の寺と同格に論ずることはできない。
 聖徳太子は、おそらく、世界中というより宇宙のあらゆる秘儀の中枢に通じる回路を開いていたスーパー・スピリッチュアリストだった。「聖徳太子は仏陀やキリストを上回るスピリッチュアリストだった」 などと書けば、日本人ですら笑い出す人々がいるであろうが、事実である。
 4を配する四天王寺の門には、不思議な絵模様の彫られた石が今でも見られるが、ここに何らかの預言が託されているのであろう。聖徳太子は時代を見通した上での必要性から、仏教を覆いとして日本に根付かせた。神道を秘め置くために。


【裏と表】
 日本の最高額紙幣である1万円札に描かれている人物が、聖徳太子から伊藤博文に変更され、昭和天皇が崩御されたのに合わせるかのように、日本経済のバブルが崩壊した。現実的には、日銀が発した総量規制の作為がトリガーになったのであろうが、現実界に対応する裏側(神霊界)もあるのである。


【都市水没のイメージ】
 著者の五島さんが、未来小説風に書いていた本を、10年以上前に読んだことがある。そのタイトルが思い出せないのだけれど、私の中にこびりついて離れないイメージがある。都市が大きな津波に飲み込まれてゆく状況のイメージである。このイメージは、多くの人々が夢に見ているのではないかと思う。このような未来が避けられるのか避けられないのか、それは分からない。
 日本でも冬季の積雪量は、近年、極度に少なくなっている。昨年などコートを出すことなく冬を越してしまった。今年も現時点まで同様である。地球温暖化は、かなり危機的な状況へ向けて進んでいることは確実である。
 エネルギーを浪費し環境を破壊し続ける中国が、このまま経済発展を続けるならば、地球はよりいそう危機的状況に向かう。中国は北京オリンピックと上海万博を目指して爆走中である。
 もしも、中国が瓦解して生産活動が停止するようなことがあるならば、日本を含む多くの国々が経済的に相当期間痛手を蒙るであろうが、地球にとっては明らかに延命措置にはなる。このような極端なシナリオ以外に、地球の危機を回避する方法はあるのだろうか?

 

<了>