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自己啓発本。
タイトルは、漢字で書けば 「不・永遠」 の意。
筆書きと英文対訳が、上下開きの本の各ページに配されている。


【 「永遠」 なるものを求めて 「今】 】
イデアとか、アルカディアとか、ガンダーラとかにありそうな、完璧なものや、永遠なもの。
そんな期待を打ちのめすかのような、「不・永遠」。
しかし、
「不・永遠」 を生きることで、人は、クラインの壺のように有るべき場所に回帰する。
「不・永遠」 こそが、「今」 を反照しているからだ。


【ふと、思う】
一方に、「無常」 という表現があり、他方に「今」という表現がある。
「諸行無常」と表現すると、満たされないものを予感させる淋しさ、あるいは一抹の怖さから、諦念的・否定的な、仏教精神を感じてしまう。
「今を生きる」 と表現すると、過去と未来の怖れから解放されて、立ち上がり歩みだそうとする、前向き・肯定的な、神道精神を感じる。
仏教は死を見つめ、神道は生を尊ぶ。
仏教は月で導き、神道は太陽で照らす。
仏教と神道で、人生を咀嚼する角度が違うのは、波動元となる天体が違うからである。
優劣を言っているのではない。
ところで、
この書籍のタイトルから、ふと、思った。
「不・永遠」 は 「無常」 と 「今」 の真ん中に位置してはいないか。
  「無常」 ⇔ 「不・永遠」 ⇔ 「今」  
両者の中間にあって、相互に媒介し両立させるに相応しい表現に思えてきた。


【英訳のメリット】
 この本の中に書かれている内容は、それほど斬新なものではないと思う。

他にいくらでもある内容だと思う。

これらの自己啓発書を読み漁ってしまう傾向のある人々にとっては、それほど感心しない内容かもしれない。
 しかし、英訳が付いていることで、やや斬新な印象を持つことができる。

英語で書けば、おのずから表現する角度が異なる。

つまり、避けようもなく咀嚼する角度が異なるから、受けての側の印象を変えてくれる。

 

<了>