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 季節的にはやや早めの作品タイトルです。近頃の心境として小説をと思い、買いだめしてある古本の中から、敢えてこれを取り出しました。口コミだけで全米のベストセラーリストを登りつめた本と紹介されています。


【相応しいタイトル】
 誰一人傷つくことのないストーリーが好ましい小説でした。心優しいおばあさんと、そこに同居することになった家族の物語です。読書記録とは言え、これからこの本を読んでみたくなる人のために 『クリスマス・ボックス』 の中身はここに記述しない方が良いように思えます。
 似たタイトルで 『クリスマス・キャロル』 というディケンズの小説があります。学生の頃読んだのですが、クリスマスを祝う歌(キャロル)というタイトルでありながら、かなり阿漕な人物が出てきて眉根を寄せてしまったものでした。しかし、この 『クリスマス・ボックス』 にはそんな阿漕な人物は出てきません。安心して読める良書です。


【同居に思うこと】
 この小説の本筋とはなんの関係もありませんが、チャンちゃんは、このストーリーの中にあるような、血縁とは関係のない人々が、同居して暮らすことに、憧れのようなものを感じています。
 ダイアン・レインが演じていた 『トスカーナの休日』 も、そんな同居人たちの温かな暮らしを予感させてくれる映画だったので、チャンちゃんは好きなのです。
 チャンちゃんの実家は、イタリアのトスカーナ地方ほど美しくないけれど、晴れた日には富士山の良く見える風光明媚な場所にあります。晩年一人で住むには少し大き過ぎるので、この小説のおばあさんのように、ネットで同居家族を募集しようか・・・などと、考えてみたりもしてしまいます。気の置けない関係になれさえすれば、近くの親戚より赤の他人の方がかえっていいのではないか、とすら思うからです。

 

<了>