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 著者はアトム・オタクを自称する方。今や数多の日本アニメが世界に流出し、日本文化の最先端メッセンジャーになっている。日本のアニメとしては、かなり昔のアトムはどうなのか?


【世界の中のアトム】
 鉄腕アトムは、現在の日本の若者より外国の若者のほうが良く知っているのかも。日本では1960年代にテレビで放映されていたという。アメリカでは、近年「アストロ・ボーイ」というタイトルでお目見えし、台湾では現在テレビで放映中である。韓国では新日鉄の技術提供によってできた浦項総合製鉄所(現:ボスコ)のサッカーチームのマスコットとして昔から知れ渡っている。が、日本から学んだものは決して国民に周知しない国なので、韓国人はアトムが日本で生まれたことを知らない!製鉄所と同様にアトムも韓国人が作ったと信じている!!!


【日本文化としてのアトム】
 アトムは可愛い童顔である。しかしアメリカ版のアストロ・ボーイの顔は、なんかあんまり可愛くない、と私は思う。マーケティングの結果、そのような顔になったのであろうけれど、そんなんじゃ・・・・・。
 日本文化の中にあっては、“幼児に近い少年少女の中にこそ神が宿る” という発想があるように思う。桃太郎も金太郎も童顔の少年である。博多人形の横綱でさえ童子の顔に作成されている。妙なる心を持っているのは少女だけである(妙=少+女)。


【アトムは可愛いし、ウランちゃんも可愛い】
 アトムは瞳を閉じたときが実に可愛らしい。お鼻もちっちゃくて可愛い。なのに、お茶の水博士の鼻は何故あんなにデカイのか? この本にその答えは書いてなかった。ウランちゃんも可愛かった。アトムの妹は可愛いウランちゃんなのに、チャンちゃんの妹はなぜ猫みたいな顔をしているのか?


【高田馬場駅の発車メロディー】
 JR山手線、高田馬場駅の近くに手塚治虫さんが住んでいたという。なので、高田馬場駅の発車メロディーはアトムの主題歌である。想定上のアトムの誕生日である2003・4・7頃にこの発車メロディーが採用されていたのかもしれない。


【アトムが日本を作った】
 なんたって、アトムは技術立国・日本のイメージを先導した功績ナンバー・ワンのスーパー・キャラクターです。渡部昇一さんは、アトムは日本発展をイメージで先導したと、その功績を高く評価しています。
 アニメが喚起するイメージの影響力を、ゆめゆめ軽んずることはできません。アニメは見たことがなくって活字の本しか読んでないなんて言ったら、それこそ旧人類です。


【良いものは全て MADE IN JAPAN 】
 アトムに直接は関係していないけれど、アメリカの日本認識の一端が分る箇所です。
 「バック・トゥ・ザ・フューチャーPASR3」 の中で過去のドク・ブラウンは、未来のドクが作ったデロリアンの部品を見て不思議そうに 「 MADE IN JAPAN ?」 とつぶやきます。すると、すかさずマーティが 「何言ってんの?現代では良いものは全て MADE IN JAPAN 」 と応えるワンシーンがあります。 (P.15)

 

<了>