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 人生いつだってドロップ・アウトしたくてたまらないチャンちゃんは、このような本が大好きである。既成社会が要求するまともな社会人としての適性がないチャンちゃんは、この本で竹村さんと対談している例外的な人々に救いというか突破口を求めたかった。
 されど、ここに登場する皆様の立派なこと、『例外的日本人』 として紹介されている皆さんは全員どうしようもなく非凡である。凡人未満のチャンちゃんは最後まで読み終わって地中深く没し去られたように沈黙するのみであった。

■ 特に面白かった対談 : 世界の 「孤島」 をフィールドワークする平野秀樹さん ■
 デズモンド・モリスが猿を調べて 『裸のサル(人間)』 を語っていたように、平野さんには植物を調べて人間を語る語り部になって欲しい。対談者の竹村さんが、最後に 

「話は尽きませんが、針葉樹みたいな平野さん、本当に楽しい話をどうもありがとう」(p.129)  

と書いている。全く同感である。
 平野さんは、人間の文明が極力及んでない 「孤島」 を調査している故に、人間と自然のかかわりの中から、重要なポイントをいくつも示唆してくれる。単に植物だけから人間を見ているのではない。

 平野さんの話を読んでいると、毎日人に囲まれて東京にばかり住んでいるチャンちゃんは間違いなく 「奇形児であるに違いない」 と思えてくる。いや思いたい。つまりチャンちゃんは、心理的退行を奇形に求めている 「退嬰的日本人」 である。 『例外的日本人』 には 「退嬰的日本人」 に数段勝る、努力する才能とパワーがあるようだ。既成社会不適応症を患う 「退嬰的日本人」 はこの点に気付いてやや落ち込んでしまう。

 

<了>