さすがに「♪ぽぽぽぽ~ん」ばかりだと疲れるので | 信州日誌
ども。

東北関東大震災の発生から20日経ちました。テレビはひと頃よりモラルが戻りつつあるけど、福島原発が予断を許さない状況であることから、何かとまくし立てるような論調も見受けられます。でも、少しずつ番組編成も通常に近づきつつあるのは、4月の改編期直前だったので切り替えざるを得ない、例えばドラマなんかもうかなり撮り進めているから放映中止にもできない&その前の番組もぶつ切りで終わらせる訳にはいかない、という理由もあるのでしょう。単発のスペシャルなら多少ずらせますので、「即、ニュースに切り替え」という(起きて欲しくない)事態の時はまた報道一辺倒に戻るのかもしれません。

さて、通常のテレビ番組が戻るにつれCMも少しずつ増えてきました。ご存じの通り、震災発生直後の民放は各企業が自粛したためACジャパン(旧公共広告機構)のCMだけになり、その中でも放送自粛になったものもあれば、「挨拶の励行」がキャンペーンテーマのCM「あいさつの魔法。」で流れる「♪ぽぽぽぽ~ん」が頭の中で回っている方も相当多いようですし、また、コミュニケーションがテーマの「こだまでしょうか」のCMで引用された、金子みすゞさんの詩集が売れているそうです。

僕はこのような状況は不謹慎だと思いません。例え、代替のCMがきっかけであっても物が売れて経済が活性化しないと、被災地を復興へ導けないからです。明日は4月1日、エイプリル・フールです。いつもならあちこちのサイトでジョークがあふれるところですが(毎年楽しみにしているのは円谷プロの公式HP。Yahoo!ジャパンがエヴァで埋め尽くされた年も印象深いです)、なんとなく「なんでも自粛」のムードに流されて、今年は「海外でこんなウソが報じられた」で終わりそうな気がします。逆に、この条件下で被災者・被災地をネタにしたり、原発・風評被害などをあおるような内容を避けて、如何に上手なエイプリル・フールにするか、の方が企業の力量がよくわかっていい気がしますけど。

と、堅い話が続きましたが、今回は、「ACジャパンのCMばかりなのでそろそろ食傷気味になってないか?」と思うので、ここ最近で気に入ったCMを紹介しようという内容です。花王のアタックNEOのCMに出てる女性が常盤貴子だとわからなかったことにビックリしましたが、それはそっち方面に詳しい方のブログがあるのでおまかせします。僕がここのところ好きだったのは、これ。


※音が大きいかもしれないので、調節をお願いします



これは競輪のCMです。出演は永瀬正敏と田中圭。「『バンクに人生が 刻まれている』先行編」といいます(映像にある「今日もどこかでジャンが鳴っている」は間違いです)。このCMの後半に永瀬正敏が言うセリフが非常にいいんです。

「負けるにしたって、負け方ってもんがあるだろ。」

僕は違いますが、人生を勝つか負けるかで判断する人がいます。他人が困難に直面した時「がんばって乗り越えろ!」とか「負けるな」と言うタイプの人かな。でも、僕は「負け方」がよければそれでいいと思っています。

例えば、目の前に壁がある。がんばって乗り越えようとするけどなかなか上手くいかない。そのうち、後ろから来た人がすっと登って先へ行った。これが負けかというと、順番では負けなのでしょう。しかし、越えていった人の登り方やルートを学んで自分も乗り越えれば、また似たような壁に行く手を阻まれた時にちょっと考えればすぐに越えられるかもしれないのです。

例えば、壁に当たって横へ回ったとする。遠回りになるかもしれないけど、どこかに穴が開いていてするっとくぐり抜けられるかもしれない。

例えば、乗り越えられないから後ろに下がって、すこし休んだとする。そうしたら、今まで壁しか見えなかったけど、近くにある木に登り、枝を伝っていけば、向こう側へ行けることがわかるかもしれない。

例えば、何度も同じ場所で登り続けるうちにいつも足を当てていたところが少し凹んだり、コツをつかんだりして、ある日ひょっこりと乗り越えられるかもしれない。

勝ち続けたい人には、一番目は「負け」、二番目は「逃げ」、三番目は「あきらめ」、四番目は「停滞」に見えるかもしれません。でも、かならず得るものがあり、次へ進むのです。それが「負け方ってもん」だと思います。

一番避けるべきなのは、「その壁に絶望し、失敗したと思い込んで、生きることをあきらめる」、です。人は負けたり、逃げたり、あきらめたり、滞ったりしつつも、少しずつ前へ進むのだと思います。調子のいい日もあれば悪い日もある。そうやって振り子のように良し悪しに揺れながら一歩一歩綱を渡ればいいのでしょう。

なんだか話が大きくなりましたけど、僕はこういう事を考えて、このCMが好きになりました。解釈の仕方はそれぞれ自由、このCMを見て他の考えを巡らせた方もいらっしゃるでしょう。でも、それでいいんです。それぞれの考え方=存在を尊重し、でも、同じ部分が見つかったら喜んで、共に生きていく、そんな風にできたらいいな、と僕は思います。

では、また。Auf Wiedersehen!


ちなみに僕は、競輪を観に行ったことや賭けたことは一度もありません(笑)