このゲームの秀逸なところは、絶妙なゲームバランスにあると思う。
数ターンに一回、「エピデミック」というカードがでて(難易度が上がるほど「エピデミック」の出る頻度があがる、という調整ができる)、ある都市にウイルスが3つ発生する。
ウイルス4つになると、4つにはならずに「アウトブレイク」といって、周辺都市にウイルスが蔓延する。
そうなると、今まで平和な地域だったはずが、突如としてパンデミックの危機に陥ってしまう。


エピデミックが発生すると、ただでさえ会議中なのだが、本当に緊急会議モードに入る。
いろいろ回避できる「スペシャルカード」というものがあるが、それは有限のため、どのタイミングで使うかが重要。
そして、予定をすべてやり直して、このウイルスを駆除しに行くか、1ターンは目をつぶって当初の予定通り行くか、議論が白熱する。


エピデミックが発生するタイミングはランダムのため、次出るかもしれない、次出るかもしれないと最悪の事態を想定しながら行動しなければならない。
また、エピデミックが発生する都市は、完全にランダムのため、ひやひやである。
毎ターン、ウイルスが増えていく都市は、過去に発生した地域だけなので、こちらは予測がつく。


この、予測不能な部分と、予測可能な部分に、さまざまな可能性をイメージして治療薬を作っていく過程は、突如、光に輝いていた世界が絶望に落ちる瞬間があり、その中から限りなく細い希望をつなげていって治療薬を作っていかなくてはいけないという、絶望と希望との戦いなのである。
世界を救えるのは俺たちしかいないという熱い魂の叫び。
見事に薬が完成した後は、男たちは(女もいるけど)熱い涙を流しながら固い握手を交わすのである。


あと1アクション(4アクション=1ターン)届かなくて負ける、あそこであれをやっておけばというわずかな選択肢のミスで負ける。
逆に、あそこであのカードが出たからギリギリで勝てた、このターンで薬ができなかったら負けていた、と、勝つ時もタッチの差になる。


この、絶望と希望のはざまで、最後の最後まで油断のならぬのがこのゲームの面白さなのである。



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