去年の今ごろ、初めてのジョイントライブ、開場一時間前。携帯の着信音がけたたましく響き、母の唯一の姉、逝去の知らせ。

 思い起こせば、6年前、性転換後、女性籍を取得。親戚・友達関係を断ち切って上京。

 その後、ショーダンサー、シャンソン・カンツォーネ歌手をしながら、天涯孤独を覚悟して生活する毎日。

 伯母が重い病気で入院した話は、母からこっそり聞いていた私。

 浪人中、音大受験のため、一泊二日で毎週レッスンのために上京する、一人っ子の私を、3人の子どもたちと暮らす中野の家で、4番目の子どものようにかわいがってくれた伯母。

 入院先は私の家と目と鼻の先、警察病院。

 「行きたい、けれど今の私は……。」 葛藤に次ぐ葛藤!

 そうしているうちに運命の日が……。 
 
 「明日、落合斎場でお別れの会があるので、よかったら参加してください」、懐かしい従姉弟の声。

 「今行かなかったら、永久に伯母とは対面できない」

 自分がどう思われようが、どうでもよかった。

 「何故、元気なうちに会っておかなかったのか」と自責の念。

 「自ら関係を絶った親族との対面が、こんなに悲しい日に……」


 複雑な思いが交錯し、でも、私はプロの歌い手。

 目の前に本番のステージがあることに感謝。

 何故なら、悲しいことを考えないで済む。

 
 翌日、斎場で、心ゆくまでのお別れ。そして、みんな、優しかった!!

 昨日は、一周忌の法要。

 天国の伯母のおかげで、親族の温かい輪の中に、私は包まれていた。

 感謝!!


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