2018年J2第11節の4月28日、山梨中銀スタジアムでのヴァンフォーレ甲府vsジェフ千葉との「戌年ワンワンダービー」。

両チーム、チーム状態が悪い中で前半終了して甲府が1-0で折り返す。

今まで筆者観戦してきたアウエーのジェフ戦というのは、まず先制される→このままだと勝ち点が取れないので前がかり→スペースが生まれてカウンターを食う→2点差になりTHE END、というパターンが多かった。

しかし、この日のジェフは今までとは少し様相が違う。

前半のジェフはおおよそプロサッカーの試合とは思えないほど酷い出来だった。

しかし後半に入って修正される。DF同士がしっかり声を掛け合って甲府のFWを網に掛けるようにボールを奪う。

攻撃でも前半にはなかった両サイドを基点にしてゴール前に選手を飛び込ませる動きが少しずつではあるが形になってくる。

もちろんジェフのFWの連携というのはバルサのような速さや鋭さななく、むしろ鈍重だ。

しかしJ2クラスのDFラインなら一人一人の動きが鈍くとも何度も波状攻撃を掛ければ崩れていくモノだ。

特に前半の失点の原因になったホルヘ・サリーナスがボールを持った時はチーム全体が前を向けていた。

筆者がやっていたボクシング界の言葉で「単発のパンチを『1』だけ打って終わらせていては相手を倒せない。相手の心を折るには『1・2・3・4・5』とコンビネーションの種類を変えて連打で打たないといけない」と言うが、サッカーの攻撃も同様だ。

後半に入ってのジェフは単発のシュートでは終わらない。とにかくチャンスがあればしつこい連打を仕掛けるように甲府に波状攻撃を狙う。

一発終わってももう一発。時折受けるカウンターのリスクも御構い無しである。

そうした中での後半ロスタイムに入った95分。

再三再四狙っていった攻撃が実を結び、DFの近藤直也のゴールでついに同点。

そして相手のキックオフと共に試合終了。戌年ワンワンダービーは結局痛み分けに終わった。

この試合のあとに甲府の吉田達磨監督は成績不振を理由に解任。ここ数年続くJ2のカオスはいよいよ混迷の一途を辿った。


こうした中でのGWの甲府道中記。最初は行くのがしんどかったがピッチの内外で発見の多い実りある旅になった。

次回はなかなかチャンスはないが出来るだけ遠征の機会を作りたいモノである。