前回までは2017年までJ1に在籍していたプロヴィンチャ(地方クラブ)であるヴァンフォーレ甲府の街としての素顔にフォーカスしていた。

しかしここからはこのクラブと我らがジェフ千葉との関東No.1のワンちゃんクラブはどちらか?という「戌年ワンワンダービー」の雌雄を決する重要な闘いについて見ていきたい。

どちらのクラブも本来ならJ1にいてもいいような戦力のクラブ。

しかし2018年4月28日の第11節の前にして甲府が17位、ジェフが19位とどちらも低迷している。

サッカーにおいて調子が上がれないクラブというのは総じて得点欠乏症か大量失点かどちらか。

甲府は10試合で8得点9失点と打線が湿りがち。

逆にジェフは17得点22失点と守備陣が大炎上。

両極端なコントラストを描いた低迷中の両軍が甲府の山間で闘いの火蓋(ひぶた)を切った。

前半5分にいきなり試合が動く。甲府の右SBの2番湯澤聖人がドリブルで仕掛ける。

それをマッチアップしていたジェフの左SHのホルヘ・サリーナスが湯澤のフェイントにアッサリ引っかかってしまう。

そのままゴールラインまで湯澤に独走を許したあとにマイナスのクロスを供給する。

それを中央に待ち構えた29番ジュニオール・バホスがボレーを決めて甲府が先制。

甲府としては最高の、ジェフとしては最低の立ち上がり。

今シーズンのジェフは実はちばぎんカップ以来あまりチェックできていなかったが、今までにも増してだらしのないチーム状況に感じられた。

しかし意外にもジェフはこの1失点で前半を乗り切った。〈④に続く〉