①ではみんな大好き福沢諭吉の肖像画が、その作り出す原価が桁外れに安いという話をしたが、②ではそんな付加価値を安い原価の紙切れにどうやってつけるのかを見てみる。
基本的にお札の場合、原価23円の紙切れに10000円の付加価値をつけるのだが、その紙切れの価値を保証するのは日本銀行である。
そうしたお札というのも昔は保証するための担保が違っていた。
第二次大戦の1944年に旧西側諸国が作った組織にIMFというモノがある。
この時アメリカは自国の金(ゴールド)の保有量を担保にして、国の通貨の価値を保証していた。これを金本位制といい、その仕組みをブレトン・ウッズ体制という。
しかしそのブレトン・ウッズ体制もベトナム戦争で1960年代のアメリカの財政赤字が巨額になり、1971年にブレトン・ウッズ体制は崩壊。
通貨レートも固定式から変動相場制へと移行した。
そうした金本位制から新たな国家の通貨に対する担保が「信用本位制」である。
このシステムは何によって、その国の通貨価値を担保にしているのか?
それは「その国の国民が働いた労働の価値を通貨の保証とする」というモノだ。
ドルだったらアメリカ人の労働、ウォンだったら韓国人の労働を担保にしている。
翻って日本である。日銀は日本国民の労働を担保にすることにより、原価がたった23円の紙切れに10000円の付加価値を保証している。
ここで1つ問題がある。今の日本の労働人口は増えているのか?減っているのか?という話だ。
勘のいい読者なら分かるだろうが、少子化で労働人口は激減している。
それはつまり日本の10000円札の価値というのが、将来的に目減りしていくことを表す。
筆者のブログはプロスポーツである。野球であれサッカーであれ、一番偉いのはコミッショナーではなく、野球(サッカー)選手だ。
しかし今のスポーツ界には国民の労働で通貨の価値を担保にしているのに、競技人口はむしろ減っている。
このままだと10000円札の価値が目減りするように、日本のプロスポーツの価値も減っていくだろう。
実は日本経済もプロスポーツも危機的状況にある。強い危機意識が必要なのだ。