前回はセカンドキャリアで成功したボクサーの話をしたが、ここでは逆にセカンドキャリアに失敗するタイプについて述べていきたい。

セカンドキャリアで失敗する一番のタイプ。

それは「過去の実績にしがみついている人間」である。

これは定年退職した男性が第二の人生で新たなコミュニティに入っていく時にも同様である。

「定年退職したあと、社員だった時の役職や実績、プライドというのは全部捨て去りなさい」

「そうしないと、次の職場やコミュニティで相手にされなくなりますよ」

と言われた定年退職した元サラリーマンがいたが、プロスポーツを引退したアスリートにも同様のことが言える。

要は「過去を生きているか、今を生きているか?」という話である。

スポーツ選手の場合、チーム競技だと「戦力外通告」という自分のアイデンティティを100%叩き潰された状態で第二の人生に進む選手がほとんどだ。

そうした選手は自分の小さなプライドを守るため、尊大に振る舞ったり、自分のやっていた競技に未練がある場合もある。

しかし実社会の仕事というのはプロスポーツの厳しさとは質が違うのだ。優劣の差はない。

そうした中で実社会を舐めてかかる元プロスポーツ選手が痛い目に合うのはよく聞く話だ。

②でもこの話を続けていきたい。