①ではJリーグにおけるレンタル移籍という説明について述べたワケだが、前回はそれが恋愛での二股関係に似てるという言葉で表現した。

②ではそうした言葉の意味について説明していきたい。

①で述べたレンタル移籍という制度。若手の育成にとっては出場機会を均等に与えるという意味では優れた仕組みだ。

そんな仕組みを利用して移籍したのがJ2ジェフ千葉のユース出身の生え抜きだった浦田樹(うらた・いつき)だ。

浦田はジェフの下部組織からプロのトップチームと契約したものの、プロの壁は厚かった。

そうした中でブラジルの下部リーグに移籍という名の武者修行をクラブは決断。

そこでブラジルに帰国した元日本代表・三都主アレサンドロと同じチームで寮でも同部屋になり、プロサッカー選手としての心構えを知る。

そしてJ3のFC琉球を経由して、J2復帰を目指すギラヴァンツ北九州へレンタル移籍をした。

しかしU-20の日本代表に選出された逸材である浦田。正直ジェフサポとしては残って欲しかった。

しかし浦田は2018シーズンに北九州に「完全」移籍してしまった。(/ _ ; )

さてさてそうしたレンタルから完全移籍への心境の変化。

冒頭のタイトルにある「レンタル期間とは二股関係に似ている」というのはそうした気持ちの変化のことを指している。

移籍で思い出すのは漫画GIANT KILLINGで主人公の監督のクラブであるETUから甲府に移籍したSBの石浜である。

石浜にしても浦田にしても軽い心境の変化で決めたのは分かる。悩んで悩んだ末の決断だ。そんなことは分かっている。

しかしレンタル期間というのはいわば地元の彼女(保有権を持つクラブ)の思い出と引っ越し先の新しい彼女(レンタル移籍先のクラブ)との楽しい関係と2つの関係が同時平行で進んでいるのが二股のそれに似ている。

当人としてはどっちも愛していてどっちも大切にしたい。

しかし、いずれはどちらかの彼女(クラブ)の「二者択一」を必ず迫られる日が来る。楽しいだけの関係というのは残念ながら永遠ではない。

今回述べた「二股」という表現は軽く遊ぶという意味というより、若者が人生を賭けて選ぶ相手を必ず決断しないといけない、というむしろ重い意味で述べた。

どっちも好きでどっちも必要。しかし選べる相手は1つ(1人)だけというのはサッカークラブも彼女も同じなのである。