①では元ボクサーのセカンドキャリアの成功について述べたわけであるが、②でもこのことについてもっと深く言及していきたい。

最初に赤井英和氏とトミーズ雅氏のセカンドキャリアについてツラツラと筆者は説明してきたが、当人にとっては筆舌に尽くしがたい苦労があったのは容易に想像できる。

赤井氏にしても俳優としての出世作は「どついたるねん」であったが、いくらプロ格闘家としての経験があっても、役者は役者。全く別種の世界についての戸惑いもあったはずだ。

役者を志す以上にセリフを覚えて、感情表現するという能力はパンチを鼻先三寸でかわす能力とは勝手が違う。

トミーズ雅氏にしても同様だ。よくテレビのトークショーでは5分の会話のために、テーマの下準備や打ち合わせ、スタジオへの移動や反省会のために半日分の労力が必要になるという。

こちらもかつて格闘技で名を成して、現役時代は凄くても芸能界に入れば皆横一線でライバル。お客様扱いはすぐになくなる。  

ボクシングの世界王者でセカンドキャリアに失敗し、裏社会と繋がりを持って永久追放された人間というのもいる。

だからこそ、①でも述べたが「セカンドキャリアの成功が本当の成功」というのは前述の2人が教えてくれている。

お笑いでも楽しそうに笑っているのは一瞬で、あとは地味にキツい稽古や単調なネタ合わせに汲々としているのは承知の上である。

しかし、そうしたキツい水面下の努力に下支えされているセカンドキャリアの成功は尊いのだ。

筆者自身も仕事はキツい。しかしこの2人を見習って投げ出さないで頑張りたい。