①では愛するサッカーという文化の窮状を赤裸々に述べてきたワケであるが、②以降でも日本が世界に誇るスポーツビジネスのロールモデル・Jリーグに何が必要かを考えていきたい。
最初に勝利至上主義からの脱却が必要だと述べたが、他に必要なことといえば「哲学の構築」である。
再三言ってきていることであるが日本には「勝てば官軍」という言葉があるように、プロセスより結果重視の姿勢が蔓延していた。
これはドーハの悲劇の「土壇場に起こった同点→W杯初出場を逃す」から、同時期のボクシング漫画「はじめの一歩」で「プロボクサーに問われるのは結果のみ」という結果だけを見ている自分たちに自己陶酔する誤った価値観が浸透したからである。
しかし今のはじめの一歩の中身を把握している人間がどれだけいるのか?現実のプロボクシングの世界は村田諒太が引退したら終わりの状況で、今の世界王者は電車に乗っても存在に気づかれないというのが現実だ。
サッカー界はまだ間に合う。今、結果至上主義から脱却しないと本当にオワコンになってしまうと、筆者は警鐘を鳴らしたい。
それともう一つ言いたいのはJリーグのクラブ職員の待遇改善である。
Jリーグ(しかもJ1)の契約社員の月給が15〜20万円という薄給で成り立っている。DAZNマネーも選手や監督だけでなくクラブ職員にも回すべきだ。
クラブ職員に正当な報酬が回らずに「サッカー好きな若者をやりがい搾取で使い潰す」ようなブラック経営では、優秀な人材が定着せずに、結果としてクラブも低迷する。
事実「人材も 材料だから 使い捨て」という川柳で、優秀なエンジニアを大量にリストラした日本企業の悲惨な末路は、このブログの読者も周知の事実である。
正直言って筆者はJリーグを愛しているし、このブログではどれだけクソみたいな社会にも一筋の光のような部分を照らしたい、と考えている。
しかし、考えているからであるからこそ、今回はこうしたJリーグの問題点を提言した。闇のようなくらい影がある現代にこそ、Jリーグは光を灯さないければならない。