強烈な寒波が吹き荒れる2018年1月25日の東京に、フットサル日本代表vsアルゼンチン代表の激闘が熱狂の坩堝(るつぼ)と化した大田区体育館。この試合の続きを紹介したい。

アルゼンチンに先制された日本は少し試合を落ち着かせようとボールを収める。もともとサッカー選手よりもフットサル選手の方が足下のテクニックは豊富だ。

足の裏での巧みなボールコントロールでポゼッション(自軍のボール支配率)を高めようとする。

しかし、この日のアルゼンチン代表で印象的だったのは陸上のスプリンターのような背筋と尻筋を纏(まと)った身体から、獰猛(どうもう)にボールを奪い取ろうとする姿勢だった。

ボールに対する「執着心」と相手選手の心を根こそぎ折ろうとする「闘争心」はハンパなかった。

サッカー日本代表のハリルホジッチ監督が「(日本が)球際の強さで負けていては話にならない」と言っていた。

しかし技巧派のイメージが強いアルゼンチン代表でも、その技術の土台にあるのは球際にこだわる燃えるような強いメンタリティにあったのは意外だった。

そうした闘争心に裏打ちされた技術でアルゼンチンは日本をコート上で翻弄した。

試合が拮抗した前半16分に4番ルーカス・ボロ・アレマニーが右脚で強烈なミドルを叩き込んで2点目。

前半終了間際の18分には2番ルシアノ・アベリノの超絶的なボール・コントロールからのトラップで、前半に試合を決定づける3点目を決めた!

特にアベリノのトラップは、筆者自身まばたき一つせずに刮目していたのに、目の前に映る動きに脳の情報処理が追いつかず、最初は理解ができなかった。

隣の子連れの若いサラリーマンが「なんだ?あのテクニックはっ!」と絶叫して初めて気づいた。人間は人体の可能性を超えた動きを目の当たりにした時には脳が理解できないことを悟った。

そうした大田区体育館の観客を魅了した前半が終わって、④からは後半がスタートする。

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