今回のテーマはスポーツ界(特にマイナースポーツの世界)の関係者にはよく考えてもらいたいことであるので、そこを考慮した上で聞いてもらいたい。

その競技にもよるが、スポーツの世界で働いている関係者というのは、その競技(種目)というのに魅力や価値を見出しているので、その競技の世界で働いているのが大半である。

もっと言えばスポーツに限らず、娯楽産業全般に絡んでくることでもあるが、その娯楽が楽しい上に、他の人にもその娯楽の楽しさを知ってもらいたい。

それ故に、たとえ給料が安くても、そうした世界で働くことを厭わない人が多数いるのは重々承知の上である。

しかし悲しいかな、世の中には娯楽というのは溢れていて、自分(達)の中では「良い」と思ったネタやコンテンツというモノに限って、世間には響かないという事例は多数ある。

ぶっちゃけて申し訳ないが、筆者の知人で韓国語の教材の女性編集者が、K-POPが好きで韓国音楽の歴史特集の様な教材を作って、思い入れ100%で世に出したものの、あまり上手くいかなかったという話を聞いた。

筆者自身、韓国語を勉強していたのもK-POPではなく、韓国スポーツ界に興味があったからであるので、正直興味がなかったのを覚えている。

逆にその教材で韓国のスポーツに興味があるのは筆者くらいだ。

こうして見ても同じ国から発信されているコンテンツでも反応するアンテナの感度の違いは人によって様々なことが分かる。作り手が「良い」と思っても、受けての反応は色々ある。

そうした中で筆者は何が言いたいのかと言えば、スポーツという世界において、現場の人間が思う様な「良い試合が客を引き寄せる」という時代はとうの昔に終わってしまったということだ。〈②に続く〉