そんなこんなで筆者が観戦したE-1サッカー選手権の観戦記も今回が最後であるが、大会最終戦の日韓戦がどういったモノになるか?サッカー日韓戦初観戦の筆者には気になるところがあった。

豪州人主審のホイッスルの直後、いきなり試合が動いた。PA内で仕掛けた日本の伊東純也が倒されPK獲得。

これを小林悠がキーパーに読まれながもゴールを決めて先制に成功した。しかしこの時に日本代表が後に韓国の怒涛のゴールラッシュが襲ってくると思った人間はいなかっただろう。

この日の日本代表の辞書に「連動性」や「コミュニケーション」という言葉は存在せず、ただただ韓国代表にチンチンにやられた(←サッカー界の隠語でサンドバッグ状態にやられること)。別の表現をすれば、この日の日本代表という名の Jリーグ選抜は「烏合の集」で「寄せ集め」だった。

4-3-3で中盤が数的優位を作れるはずの日本が韓国に対して、京都サンガでのプレー経験のあるチョン・ウヨンなどにパスを読まれまくり、中央で形をほとんど作れていない。

逆に現代サッカーにおいて雌雄を決める重要な要素である両サイドの攻防戦でも、韓国が完全にペースを掌握していた。

特に韓国の左サイドは金珍洙と金民友のJリーグのピッチを渡り歩いた韓国人プレーヤーが自分の庭を散策する要領で、対面の日本の右サイドをまさにやりたい放題。このエリアでも韓国代表は「歩行者天国」のようにスイスイ突破した。

同点ゴールとなった韓国のその左サイドの金珍洙からのクロスの精度も高かったし、中央で構えていた196cmの長身FW・9番キム・シヌクの屈強なフィジカルと高さでの空中戦では日本の三浦弦太や昌子源もなす術が無く、あっさりゴールマウスにボールが吸い込まれた。

2点目は日本の中盤のパスを遮断しまくったチョン・ウヨンがバイタルの位置でFKを得て、本田圭佑ばりのブレ球で逆転に成功。

3点目は先制点を挙げたキム・シヌクが空中戦ではなく、今度は裏への抜け出しにも成功してこの日2ゴール目を記録。

後半に入っても韓国の勢いは止まらない。イ・グノに替わったヨム・ギフンが交代直後のFKに足を合わせてダメ押しゴールで勝負あり。

正直今のJ1の精鋭というのがアジアでもここまで通用しないのか!という現実を突きつけられ愕然(がくぜん)とする試合内容であった。

この日味の素スタジアムに集まった36645人のほとんどは今の日本代表がとても世界に通用するサッカーが出来ていないということがよく分かった試合であった。

結局、引き分けでもこのE-1サッカー選手権も優勝だった日本も韓国に完膚なきまでに叩きのめされ、今の日本代表の現在位置というのを良くも悪くも実感できた試合だった。

よく日本のサッカーファンやメディアはやれ欧州だ、南米だというが、今の日本というのが東アジアでも勝ち抜ける実力がないという現実を理解しないと、とてもこうした高みは望めない。これらのサッカー先進国よりも、日本サッカー界はまずアジアをどう突破するか?である。

日本サッカー界に強烈な課題を突きつけられた2017年12月16日の夜だった。

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