今回初めて観戦したバスケ日本代表のW杯予選。相手は前回大会でW杯本戦で歴史的一勝を勝ち取った強豪・フィリピン。

前半はフィリピン代表のエースである7番のPGのジェイソン・ウイリアムや5番のSGであるゲイブリエル・ノーウッドなどのトリッキーな動きから得点を量産し、日本代表に仕事をさせなかった。

正直言ってフィリピン代表の選手で目立っていたのが、背番号が一桁台の選手。前述の2人のみならず8番のカルビン・アブエバや1番のキーファー・ラベーナもシックスマンながら日本代表のファストブレイク(速攻)やピック&ロールにも対応し、日本代表に試合を作らせなかった。

しかし、後半開始早々に日本の6番である比江島慎が出だしから果敢にインサイドに切り込んでドライブシュートを連発。ホーム駒沢体育館の日本代表は熱狂の渦と化す。

しかし前から気になっていたが、生粋の日本人センターがゴール下でフィリピンのセンターである11番アンドレイ・ブラッチェにリバウンド争いを制圧されていた上に、フィリピンは日本代表のピック&ロールにも引っかかることはなく、日本代表のインサイドでの攻防に波状攻撃をかけるも、ブラッチェのみならず他のフィリピン人も粘り強く守備をして、まるでイタリア・サッカーの伝統であるカテナチオのようにゴール下にしっかり鍵をかける。

日本代表としては比江島が作ったいい流れを持続できなかったのが痛い。

絶対的なゲームメーカーであるジェイソン・ウイリアムがコート全体を把握している視野の広さと高速ドリブルやフリーの味方をノーマークにして得点を量産し、一旦は逆転に成功した日本に対して、消耗戦のように粘り強く守ってファストブレイクからディレイドオフェンス(遅攻)に切り替えて、相手である日本にシュートシーンを作らせない。

そうした我慢比べな展開に、先に集中力を切らせたのは満員の応援を背に戦う日本だった。

フィリピンのブラッチェも巨漢センターでありながら、45°の角度からスリーも決めていて、Bリーグの得点王である新潟のダバンテ・ガードナーよりもフィジカルでは互角でもシュートセンスも考慮したら、ブラッチェの方がバスケットマンとしての質は高かった。

フィリピン代表はトリッキーな幻惑戦法の中にも、ゴール下での守備で日本に対してブロックショット(ハエ叩き)を連発し、日本代表にほとんどペースを作らせなかった。

結局、試合は71-77でフィリピンが日本に最後までペースを与えず、スコア以上の実力差をつけて快勝した。

個人的に凄いと思ったのは、やはり7番のジェイソン・ウイリアムだった。ゲームメーカーにしてシュートセンスも高い。

今年(2017年)にあった日韓クラブチーム決戦で、韓国のチームにいたPGキーファー・サイクスよりは瞬発力では劣るが、その分、PGの総合力は高かったように見えた。

逆に日本代表は我慢する必要がある場面で、相手シューターの動きをピック&ロールで動きを制限させられず、ホームの開幕戦を白星発進とはならなかった。

しかし日本代表は落ち込む暇なく、次は翌週火曜日のアウエーのオーストラリア戦が待っている。

日本代表はW杯ベスト16に入らないと、東京五輪の開催国枠はもらえない。

ここから死に物狂いでプレーしないと予選突破は難しいと思える試合内容だった。

追記:この2017年11月24日のホームのフィリピン戦に続き、3日後のアウェーでの豪州戦も58-82で敗戦。アカツキファイブのW杯出場は湘北高校バスケ部の美人マネージャー・彩子さんではないが、いきなり「がけ(崖)っぷち」になった。


{8321E32B-8215-4D69-9D8B-3EAF65570EF4}

{D0E7E34E-356A-4586-BFEA-31B928B9202C}

{B8D3ECE4-AF43-41F4-9AC7-899ACF422F17}

{8032EF1B-9763-470A-90AE-ADF8241FA69D}

黒が日本代表。白がフィリピン代表。