このブログを執筆しているのは2017年11月23日な訳だが、翌日にバスケ日本代表が駒沢体育館でフィリピン代表を迎えて、バスケW杯アジア一次予選を戦うにあたって、1つのニュースが飛び込んできた。

「FIBA(サッカーにおけるFIFA)が運営するバスケW杯予選の運営方法について、各国代表関係者から不満が続出」とあった。

FIBAは今回のバスケW杯中国大会から予選の試合をホーム&アウェーにした。しかし、この日程だと各国のリーグ戦の最中にW杯予選を行うので、国内リーグ運営に支障をきたす、というのが不満の理由であった。

FIFAがサッカーの欧州リーグを管理・運営できる立場に対して、FIBAはアメリカのNBAを管理下に収めていない、という特殊な状況にも、今回の不満に拍車をかけた。

そして現在の代表招集システムに問題があるのは欧州トップリーグのユーロリーグも同様で、バスケW杯の成功を目指すのに対して、各組織がバラバラで全く足並みが揃ってないことが浮き彫りとなった。

このニュースを見て筆者は「バスケもアメリカのローカルスポーツから世界規模でのメジャーなスポーツに変わるための、いわば『通過儀礼(イニシエーション)』の時期に入ってきたのだなぁ」

正直言って何かのローカルスポーツがW杯のような世界規模での国際大会に脱皮する上で、こうした紛糾というのは必ず起こるモノ、いわば「成長痛」にも似た現象でもある。

今のFIBA事務総長であるスイス人のパトリック・バウマン(男子プロテニスプレーヤーのロジャー・フェデラーと同郷)という人物は日本のバスケ界と縁がある。

2014年には日本国内における独立系プロバスケリーグのbjリーグと実業団バスケリーグのNBLの長年続いた団体分裂状態に対して、日本の国際大会出場を禁止するという、強権的な手段を発動させてリーグ統合をさせるきっかけを作った。

それまでの日本のプロ野球のコミッショナーのような単なるお飾りではなく、バウマンはタカ派の政治家ではないが政治権力と行動力を併せ持った強硬派である。

日本国内のリーグ運営問題の次にバウマンが着手した改革が、バスケW杯をサッカーのそれのように全世界で注目されるようなメガスポーツイベントに脱皮されることだった。

その手始めとしての予選の運営手法である。こうした改革を手掛けるトップというのは敵を作ってナンボの世界である。

しかし、今回の報道を見て、バスケに限らず、ローカルスポーツのW杯を全世界の人々に注目してもらうグローバル化というのは難しい。それは他の競技でも同様だ。

②ではこの問題について、他競技の例からも見ていきたい。