①では今回のプロボクシング・日中親善試合と筆者のボクシングと中国語が長年ミスマッチし続けて、20年の時を経てようやく交わったという話をしたが、②では実際のボクシングの試合について述べていきたい。

今回の日中国交正常化45周年と銘打たれた日中親善試合は、7対7の対抗試合ということになった。しかし中国側の面子を観ると、漢民族というより中国内陸部の新疆ウイグル人選手や台湾人選手もいて、こうした後楽園ホールという狭い世界でも中国という国は漢民族単一民族ではなく、多民族国家なのだ、ということを痛感した。

また、試合前日には東京ドーム内のスポーツバーで公開計量(体重計の後ろにはバニーガールのお姉さんもいた)。

会場も普段は閑古鳥が鳴くボクシング興行も、この日は7〜8割の入りがあり、リング周辺にもチャイナパワーがうねりを上げて進んできたのが分かる。

そうした中で、試合前に日中親善試合に出場する7×2=14選手がリング上に上がってコールされ、主催者側が中国人のファンをナショナリズムで煽り試合を盛り上げようと、派手な演出。

こうした中で、否が応でも高まってくる会場のボルテージ。試合前には、ノンタイトル戦にもかかわらず、普段の興行にはないオーロラビジョンで出場する選手の練習映像や試合前のインタビューや日中両国の国家斉唱(中国国歌を生で聴いたのはこの日が初めてだった)など、まるで世界タイトルマッチ並の力の入れ具合。

そうした中でのプロボクシングの日中対抗戦。普段の冴えない興行からは一線を画したショービジネスの要素がふんだんに散りばめられた秋雨の後楽園ホール。

日中双方のボクシングファンが見守る中でゴングが鳴った。〈③に続く〉


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