①ではこうしてサッカー選手がカードコレクターになることが自らの選手生命を短くして、リーグからも罰金を喰らうという踏んだり蹴ったりな状況を説明したが、②ではその逆を述べたい。

J2ヴァンフォーレ甲府の選手で田中佑昌(たなか・ゆうすけ)という選手がいる。

この田中という選手は2015年シーズン終了後にJ2ジェフ千葉を契約満了(戦力外)で退団。

トライアウトを経由して(当時)J1の甲府へ1人昇格という形で移籍した苦労人だ。

その田中が翌年(2016年)にはJ1でレギュラーに抜擢されるどころかリーグ全34試合に出場し、そのシーズン一度もカードを貰わなかったことを受けてJリーグから表彰をされたのだ。

昔、稲中卓球部で井沢が「(過去の過ちを繰り返さないには)編成部に阪神に野田とオマリーを出すな!と言うしかねぇーじゃねーか!」と言うシーンがあった。

ジェフの強化部にも「強化部に田中佑昌を出すな!というしかねぇーじゃねーか!」と近未来のジェフサポは言いたい。

あとカードが少なくて評判が良かったのは2016年のJ2での清水エスパルスの戦い方。

この年の清水は終盤の圧倒的な追い上げで、滑り込みで自動昇格圏内に入った。

このシーズンでの清水は累積による出場停止が0人(!)。リーグ全体でもカードの枚数が42試合でイエロー31枚と群を抜いて少なかった。

こうして貰うカードが少なければ、高いレベルのプレーヤーの出場停止もなくなるのでエスパルスというチームの底上げにもなった。

結果的にカードが少ない方がチームも選手もトータルで見るとトクなのである。

こうやって見ると、特に守備の選手にカードは付き物という。

しかしファールが少ないチームというのは、足下へのタックル1つとっても、無駄なカードは避けられる。

そうした一見すると地味に見えるテクニックも、巡り巡ってチームの成績にも影響をするのである。

サッカーのファールについてはこれでおしまい。次回はバスケのファールについて考えていきたい。