木村悠と川口寛人。この2人の名前は元アスリートのそれである。ではこの2人にどういう共通点があるのか?という話である。
この2人には互いに面識はないがある共通点がある。2人共アスリートとして活躍した後に、引退後にセカンドキャリアで成功しているという点にある。
まず木村悠の方であるが、彼はプロボクシングのWBC・ライトフライ級王者だった。
習志野高校から法政大学で帝拳ジムと一見するとボクシングエリートのような経歴であったが、入門当初は非力でプロで成功しないとまで言われていた。
最終戦績が18勝中KOはわずか3つで(3敗1分)というキャリアで、はじめの一歩に出ていた小橋健太を彷彿とさせる。
その木村がプロキャリアの過程で商社に就職して、朝走った後に普段仕事をして、夜にジムで練習という自分の時間が全くないような「商社マンボクサー」として、試合に出場した。
そして2015年秋にメキシカンを下して、世界王者になることができた。
しかし翌年春の初防衛に失敗し、木村は引退を決意し、セカンドキャリアはそのまま商社マン一本での生活を選んだ。
しかし、世界王者という肩書きは偉大である。
世界のベルトを奪った木村は就職支援の団体や若者の生活をサポートするNPOなどから、講演の依頼も増えた。
木村のキャリア形成というのは、今でいう「デュアル・キャリア(アスリートが現役時代から、引退後のセカンドキャリアを真剣に模索して、引退してからの仕事におけるキャリア構築を考えること)」の成功例として競技の枠を超えた注目を集めている。
②ではもう1人のアスリートについて述べていきたい。