東京都1部リーグ昇格、ひいては将来のJリーグ参入を夢見るスペリオ城北vsアローレ八王子との赤羽決戦の前半はスコアが動きそうなヤマ場もあったものの結局0-0で終了した。
こうした中からエンドを変えての後半がスタートした。ここでも攻撃を仕掛けるのはホームの城北。
都2部リーグとは思えないような連携のショートパスを繋いで、八王子のDFラインを翻弄する。
そして後半開始早々に26番山内翔太のゴールで待望の先制点が生まれる。
ホームの城北サポは大喜び。逆に耐えに耐えた八王子は「また赤羽では勝てないのか」と落胆を隠せない。
しかし、試合はまだ30分以上ある。元日本代表の経験もある八王子の監督・野口幸司は当然動いてきた。
試合開始から城北にサイドの攻防戦で後手を回っていたので八王子ベンチは両SHの選手を投入する。
すると八王子の前線のボール支配率が高まり、ボールも人も流動的になり、ゴール前にプレスが掛かるようになる。
そして後半20分に吉岡航平のゴールで八王子が同点となる。
こうなると勢いは俄然、アウエーの八王子。前線を軸にボール支配率もより八王子に傾く。
後半30分には都2部・第3ブロック得点王のアローレ八王子・杉山大周の今期16ゴール目がこの試合の逆転ゴールとなる2点目となる。
狂喜乱舞の八王子サポ。一方の逆サイドでは意気消沈の城北サポという残酷なまでのコントラスト。
しかしアディショナルタイム含めてまだ10分近くある。ホームの試合に駆けつけてくれたサポーターの前でこのままおられないスペリオ城北。
終盤に攻撃的な選手を投入してパワープレーに賭ける城北もあと一歩及ばず2-1で首位・八王子が3位・城北の昇格の芽を潰すサバイバルマッチを制し、第3ブロック首位の座を守った。
あとこのスタジアムを見ていて良かったのはスタンドの応援団の空気が両軍共に殺伐としてなくて、一見さんにも楽しみやすい空気になっていたこと。
以前ロック総統がスペリオ城北の試合を「(J8の試合なのに)UEFAの決勝のような雰囲気」と評していたが、それも納得の素晴らしい環境だった。
今回の赤羽決戦。日曜日のナイトゲームというのもあり、観戦に行くかどうか迷ったが、今年見たサッカーの試合20戦の中でも、3本の指に入る激闘であった。観戦に行って本当に良かった。


