①ではプロ野球の世界での外国人選手の起用法についての難しさを実例を挙げながら説明したが、②ではもっと具体的に述べたい。
プロ野球における外国人選手の難しさというのは「日本に馴染めるか?」「日本でのプレーに適応できるか?」という部分に集約されてしまう。
いくら母国で好成績を挙げても、異国の地である日本では交通機関や電話などの社会的インフラも全然違うし、母国では当たり前にある紙媒体や同国人同士のコミュニティも大幅に縮小される。
家族がいれば、子供が外国である日本のインターナショナルスクールに馴染めるか?という問題もある。
その上で、その国特有の野球文化に適応するのもストレスになる。
球団も(あるいはサッカー界も同じだが)、そうした中でサポートをするが、外国人選手にとって激変する環境の中で、試合会場の中でも外でも適応しながら、好成績を残していくことは日本人の考えるほど容易ではない。
筆者の見てきたプロボクシングでも南米ベネズエラのアマチュアで実績のあったホルヘ・リナレスが2002年に東京・飯田橋の帝拳ジムに17歳でプロデビューした時は相当キツかったという。
「全てにおいてストレスが溜まり、ベネズエラに帰りたくて仕方がなかった」と当時の心境を吐露し、実弟のカルロスも日本でプロになったが、日本に馴染めず帰国した。
しかし、ホルヘは長い時間を掛けて日本に適応し、後にトップレベルの世界王者として世界中で活躍するようにもなり、日本のリングが「第2の故郷」とまで言わしめるほどになった。
今回は、こうした外国人選手の難しさを述べた訳だが、日本人選手が日本の試合で当たり前と考えていることが、外国人にとっては異次元なことである。
そうした適応するのにストレスを感じることはたくさんある。だから野球でもボクシングでも外国人選手が日本に馴染むのは難しいのだ。