サッカー東京都2部リーグ(都2・J8)・第3ブロック第10節のスペリオ城北vsエリースFC・DXの試合は前半の早い時間帯でホームのスペリオが幸先よく2点先制した。
ブロック優勝のためには負けはもちろん引き分けも厳しい両チーム。2点のリーグで主導権を握ったスペリオに対して、強烈なビハインドを背負ったエリース。
昔のプロサッカー漫画で「このままで終われるかっ!2点差上等!これからだ!」
「逆境こそ俺たちの勝ちパターンだっ!」
と言った作中の仙台のプロサッカー選手が言っていたが、東京都のアマチュアサッカー選手にもこの気持ちがあったのか?涼しくなった赤羽のグラウンドに乗り込んだアウエーのエリースにはアツい気持ちがみなぎってきた。
2-0でスペリオ・リードになるも、ブロック優勝のためにエリースの選手たちは、手負いの獅子のように荒れ狂うような気持ちの入ったプレーでスペリオ・ゴールに肉薄。
スペリオも自陣にDFの枚数はあるものの相手の気迫に押されたのか、バイタルエリアのスペースがガバガバになり、エリースのFW陣にトップスピードに乗せるようなスペースのギャップが生じ、前半のうちに斬り込まれて電光石火の2失点。
スペリオ・サポーターとしてはあっと言う間の惨劇。スペリオもこのままエリースの気迫に呑まれて、都1部昇格の夢は潰えるのか?
しかし、スペリオにも冷静な戦士もいた。左SHの19番・新田佑介が同点になって一瞬だけ緊張感が緩んだエリースのDFラインを切り裂くドリブルから値千金のゴールで3-2とホームのスペリオが再び突き放す。
そして40分ハーフの前半が終了。10分間のハーフタイムに両チームの監督がDFラインの修正のために念入りな指示を与える。
そして決着をつける後半。こちらも両チーム共に一進一退の攻防が繰り広げられた。
しかし、共にDFラインの引き締めに成功し、前半のように簡単にゴールを割れない。
結局後半はスコアレスでタイムアップ。都2部第3ブロック優勝のためのサバイバルマッチで生き残ったのは、前半の貯金で逃げ切りに成功したホームのスペリオ城北だった。
今回は都2で第1ブロックの南葛SC以外のチームを初めて見たが、試合のクオリティはともかく、赤羽のグラウンドの雰囲気がいい感じに熟成されていたのが良かった。
こうした空気を作れたのはスペリオ・サポーターが8部リーグとは思えない、Jリーグのサポより人数は少ないもの楽しさの中にも気持ちの入ったチャント(応援歌)を作れていたからだ。
次節は同じ日に首位攻防戦を制して、第3ブロック暫定首位に立ったアローレ八王子。元日本代表FWが監督として指揮を執るチームが赤羽に乗り込んでくる。
迎えるスペリオ城北に逆転優勝は可能なのか。それは翌週に全てが分かる。


