①では2002年のサッカーW杯日韓大会での日本のスタジアムが失敗作だらけであるという話をしたが、②では筆者の応援するJ2ジェフ千葉の本拠地・フクダ電子アリーナ(フクアリ)について説明していきたい。
千葉周辺というのはW杯日韓大会の時にはスタジアムの候補地からは落選したという経緯があった。
そして、日韓大会に向けて候補地になったところには次々とスタジアムが造られて千葉だけは1人蚊帳の外といった状況になった。
しかし、①で述べたようにこうして日韓大会の時に造られたスタジアムというのは、ほぼ全て失敗作であり、日本中にスタジアム建設における失敗のポイントというモノが蓄積された格好となった。
その失敗のポイントをジェフのフロントの職員が、1つ1つ集めて失敗しないような工夫された構築方法というのを模索していった。
そして日韓W杯開催後にジェフでも千葉市内に新スタジアム建設の話が生まれ、前述の失敗ポイントに対する対応策が組まれたサッカースタジアムというのが建設されていった。
そして2005年に建設されたのが今のジェフのホームスタジアムとなるフクダ電子アリーナ(フクアリ)となった訳だ。
こうした経緯でできたフクアリというスタジアムはJリーグの他のアウエーサポにも見やすく応援しやすいと好評で、あるスポーツビジネス誌の当時のサッカースタジアムランキングで1位になるほどであった。
今のJ3にいる北九州のミクスタや長野の長野Uスタジアムも、そこから更に進化したスタジアム工法が取られて、J2からJ3に降格したにも関わらず、北九州は前のスタジアムの時にあった前年1試合平均観客動員数が3224人だったのが2017年は5939人と倍増し、平均観客動員数だけならJ1に昇格した長崎(5941人)とほぼ拮抗する集客を可能にして、長野も4256人とJ2の町田や金沢と同じ水準での集客をしている。
だから2020年に東京五輪で1000億円かけて新国立競技場などを建てようとするが、今の首相が言う「スポーツの成長産業化」という考えにはW杯や五輪で造られたスタジアムというのが、未来の財産などではなく、むしろ借金の長物であり、スポーツが文化として発展しつつ利益創出が可能な成長産業になるのに、五輪やW杯の自国開催というのはむしろ邪魔なだけである。
最後にフクダ電子アリーナというのはサッカースタジアムなのに「アリーナ(室内競技場)」と名付けられたのは「フク〔が〕アリますように」という願掛けから生まれた名前である。
チームの成績にはその願掛けの効果はまだ出ていないが(T ^ T)、スタジアムの効率的な集客という意味では文字通り「フク〔が〕アリ」なのは間違いないのである。
(今回の各チームの2017年・Jリーグ平均観客動員数については村上アシシ氏のデータを参照しました)
フクダ電子アリーナ。
