冒頭のタイトルもいつものように「何のこっちゃ?」と思うかもしれないがとりあえず読んでもらいたい。

先日読んだサッカー本のなかに「サッカーマティクス」(数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」)(ディヴィット・サンプター著、千葉敏生訳、光文社)という本があった。

この本が何なのか?と言えばサッカーという競技を数学と関係づけて解析するという興味深いテーマの本だ。

その中で今回のタイトルであるが、この本の中で2011〜12のFCバルセロナのフォーメーション「ティキ・タカ」に対する説明がなされていたのだが、この時の三角形の形が非常に機能美に富んだ美しい正三角形をしていたのだ。

詳しくは本を読んでいただくと幸いなのだが、GKとDFの間はDFラインをコンパクトに押し上げるサッカーが特徴なので、鋭角な二等辺三角形になっているが、FP同士のトライアングルというのは、どの三角形も限りなく正三角形に近い形になっているのである。

もともとトライアングルという概念が日本サッカーに導入されたのは、1992年にハンス・オフト氏が日本代表監督になった時に「アイコンタクト」や「ビハインド・ザ・ボール」と言った当時の欧州の最先端のサッカー理論として導入されたのが始まりである。

そうしたトライアングルというシンプルな概念を、20年かけてオフトと同じトータル・フットボール生誕の地であるオランダで生を受けたヨハン・クライフがスペイン・バルセロナで普及させて、「ティキ・タカ」と呼ばれるフォーメーションで欧州サッカーを震撼させた。

しかし、その四半世紀経った後の日本である。日本のサッカーも相当カテゴリーも増えて、スペックの高いサッカー選手も増えた。

しかし、フィジカルが強く足下がうまくてもJリーガーになれない選手も一杯いる。

そうした彼らがJのピッチで必要な個人戦術というのが、冒頭のタイトルにある「正三角形は美しい」というモノである。〈②に続く〉