筆者本人以外の人間からすればどうでもいいことではあるが、最近Jリーグと並行してプロ野球も観戦するようになった。

プロ野球に関してはサッカーと違って特定の球団へ対する贔屓(ひいき)というのもないし、まだまだ野球を語れる観戦力というのも備わっている気もしないのだが、野球という競技を見ていて最近強く感じるのが、冒頭のタイトルの言葉である。

サッカーのFWに関しては日本代表経験のある元ジェフ戦士だと「利き足は頭」系の長身FW巻誠一郎より、小柄で反射神経が高く、アイデアのある佐藤寿人の方がイメージしやすいし、そうしたタイプに限定されてしまうが、JリーグのFWでもプロ野球の内野手でも同じことを感じてしまう。

今まで野球は漠然とテレビでやっている高校野球を眺めていた程度であったが、プロ野球観戦の習慣がつくと、超一流の内野手の持つ俊敏性に毎回舌を巻く。

もちろんサッカーのFWは常に軽いジョグをしながらピッチ(グラウンド)を広く俯瞰する必要があるのに対して、内野手にボールが飛んでくる範囲というのは極めて限定的だ。その違いは確かに存在する。

またFWはプルアウェーといってDFの視界から消える動き、いわば対人的な俊敏性が必要なのに対し、内野手の場合はゲッツーでの動きもあるが、ボールに対する反射神経が問われるという違いもある。

ただ、それは競技の質の違いであって、この2つに優劣はない。

野球で考えると、プロ野球でもWBCでも最前線でちょっとしたキャノン砲のような殺傷能力すら感じる強烈なスピードと迫力の打球を処理するのには、相当な修練を要するのはヌル野球ファンの筆者でも解る。

あの反応の良さというのは生れながら先天的に「持っている」のではなく、厳しい練習によって後天的に「勝ち獲った」能力に見えてならない。

こうした超一流のFWと内野手に共通する「動き出しの反応の良さ」。このことについてまだ語りたいことはあるので②で続けたい。