色々見ていく中で、ハンドボール日韓戦というモノの迫力を体感していたわけであるが、ハンドボール韓国代表のイメージというのはどんなモノがあるか?といえば、サッカー日本代表監督のハリルホジッチ監督ではないが「球際の強さが試合の結果を左右する」と言っていたが、ハンドボール韓国代表選手もそうした球際での粘りというのが、異様なまでの執着心を感じた。

あと古典的なステレオタイプかもしれないが、単純なフィジカルの強さとスタミナ、そして前述の球際の強さから見える闘争心というのも、コリアンスピリッツのようなモノを感じる。

これは①でも述べた1月のKBL(韓国バスケリーグ)王者の安養KGCの韓国人センターや2月に見たサッカー・Kリーグ王者・FCソウルのセンターバックにも共通して言えることで、筆者はこれを韓国人選手の「フィジカル・スタミナ・闘争心の三連コンボ」と呼んでいる。

そうした韓国の剛と日本の柔という対照的な持ち味の中で試合はヒートアップした。

日本、韓国共にハンドボール選手がサッカーでいうマルセイユルーレットも出しながら一進一退の攻防が続く。

ハンドボールの場合、試合が拮抗するとクリーンシート(完封勝利)というのはありえないが、それでも両チームのGKはあたりまくっていた。

特に韓国代表GKのリー・チャンウはスリムで長身、身のこなしも鋭く、まるで隼(はやぶさ)のようだった。このキーパーでなければもう5失点は韓国はしていた。

そして、1点ビハインドの日本代表は残り20秒でGKを引っ込めて数的優位を作るリスクを冒したエンプティー・ゴール(ゴールを空にすること)を敢行。

それをこの日チーム最多の8得点を叩き出したスコアラーである18番徳田新之介が値千金の同点ゴールを決めて、会場のボルテージは最高潮に達した。

結局このままタイムアップ。新監督を迎えたハンドボール日本代表の初陣は28-28の引き分けに終わった。

しかしハンドボールど素人の筆者にもこの日の試合の素晴らしさは理解できた。

ゲーテの言葉に「全て最高のモノは、その個別の領域を超える(最高級のモノはその門外漢でもその素晴らしさが理解できる)」というがこの日のハンドボール日韓戦というのも、その言葉が当てはまるような激戦であった。両チームに感謝したい。また見たい一戦でもあった。

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