③ではいよいよ試合に入っていくが、この新東京ダービーというのはただのダービーではない。もしも来年J1で東京VとFC東京のダービーがあっても、それは稲城市と調布市のダービーであって、東京23区内のダービーではない。
しかし関東1部ながら、東京23FCvs東京Uのダービーは「江戸川区」vs「文京区」のダービーになり、日本初の23区内のチーム同士のダービーとなる。
そうした東京のサッカー史に残るような新東京ダービー。
試合の方は23FCの方が4-5-1と中盤を厚くして、スペックの高いFWをワントップ気味にしてセカンドボールを拾おうとする戦略に対して、東京Uの方は、典型的なボックスの4-4-2でリーグ最少失点のチームらしく守備重視の戦いを選んだ。
7月の暑さが身を削るような中で試合開始であったが、こうなると23FCのワントップの11番・田村聡がどれだけ過酷な環境の中で、多くの役割をこなせられるかに試合の鍵になっていく。
そうして試合開始、以前の23FCというのは、監督の羽中田昌氏はバルサ&クライフ信奉者であったが23FCでは封印しているという。
サッカーの質もショートパスで繋ぐサッカーというよりも、後方の選手がロングフィードで楔(くさび)を入れて、前線のFWが東京UのDFラインの裏を取る姿勢を徹底した。
そうした戦術のもとで試合が動いた!〈④に続く〉


