①では日本を代表するシニアのトップアスリートが長い期間、最前線での活躍を可能にさせているの何か?という問いに対して、彼らは「『体』があって、心と技はあとからついてくるモノ」と説明した。
それはゴルフやプロレスといった世界だけではなく、日本を代表するプロスポーツのJリーグでも同じ流れになっているのである。
以前、ツイッターでJリーグ発足当時の鹿島のジーコやレオナルドなどのスーパープレー集の映像が流れていた。
当時不惑前後のおっさんだった神様ジーコも超絶テクニシャンなプレーで相手DFを手玉にとるプレーがたくさんあった。
この頃のJリーグというのは技術ありきの時代だったが、じゃあ現在のJリーグはどうなんだ?という話である。
今年(2017年)のGWに筆者は東京・西が丘でJ3のFC東京U-23とFC琉球の試合を観戦した。
こののFC東京U-23のスタメンには、泣く子も黙るバルサのカンテラ(育成組織)出身の15歳・久保建英(くぼ・たけふさ)がいた。
久保がボールを持った時のどよめきも凄かったが、超絶的なテクニックがないとできないW杯の欧州選手のようなマルセイユルーレットで相手DFを2人置き去りにした。
だが、そんな天下一品の技巧を持つ久保建英がいたFC東京U-23がその試合に勝ったのか?という話である。
結果は退場者を2人出したFC東京U-23が、技術では劣るもののフィジカルと走力を中心とした泥仕合サッカーという名の自分の土俵に引きづりこんだFC琉球に0-3で惨敗を喫した。
Jリーガーという世界も初期型のプレーヤーはテクニックがあればやっていけたが、今のJリーガーに求められるのはサーカスのような曲芸ではなく、走力とフィジカル&集団での組織力を高めるための戦術理解度の高さの方が圧倒的に重要だ。
今の時代に必要な「そう」は「(個人技を活かすための)『想』像力」ではなく、「『走』力」と「(11人で闘うための)『総』合力」の時代になった。
そしてその走力と総合力を下支えする要素が、フィジカル&体力の2つである。
ゴルフやプロレスだけではなく、Jリーガーも「体・心・技」の時代になった。これも時代の趨勢である。