①では都市対抗野球に応援団員やチアリーダーの特色や球場の雰囲気を紹介したが、②では試合について考えていきたい。
先手を打ったのは後攻で山形市代表のきらやか銀行だった。きらやかの選手は出塁すると積極的に盗塁を試みて、二盗など狙う。きらやか銀行は3回までに二盗を2つ決めた。
きらやかの野球は筆者の素人目には走る野球に少なくとも見えて、今年(2017年)3月に来日したWBCの中国代表のような走る野球を彷彿させた(ユニフォームが同じ赤だったから尚更そう感じた)。もっとも中国代表のそれは盗塁というよりエンドランを多用していたが…。
きらやかはHonda鈴鹿の先発投手の立ち上がり不安定な隙を突き、前述の盗塁などでダイヤモンドを縦横無尽に駆け巡り、3回が終了して2-0できらやかがリードした。
4回に入り、Honda鈴鹿の監督は先発に見切りをつけて、サウスポーの平尾という投手に託す。
この平尾。スライダーやツーシーム(?)のような変化球は125km/hくらいで、ストレートも135km/hくらい。球が格別に打ちづらい風には見えなかった。
しかし、打席に入るきらやかの打者はこのマウンド度胸は満点の平尾投手のクセ球とストレートを打ちあぐねる。
4回以降、きらやかのスコアボードには綺麗に0が続いた。
そうしてロングリリーフの投手が奮起するなか、Honda鈴鹿の打席も爆発する。
それまで点を与えなかったきらやかの先発小島も打順が二巡し、疲れが出た上に球筋を見切られたのか?5回6回でHonda鈴鹿打線に捕まり、3-2と逆転を許す。
この小島もメジャーで最低限の合格点である(クオリティスタートと呼ばれる)先発6回3失点で抑えたのだが、本人としては自責の念しかないだろう。
その後も抑えやリリーフにとっては最小点差なので気を抜けなかっただろうが、結局Honda鈴鹿がきらやか銀行の猛追を振り切り、3-2で勝利した。
都市対抗野球の魅力というのは「高校野球とプロ野球のいいとこ取り」と筆者は考えている。
普段の東京ドームでバッターが深いところの転がった内野ゴロを打ち、一塁ヘッスラでセーフ。そのバッターランナーがまるでホームランを打ったようなガッツポーズ!
こうした風景というのは同じ東京ドームでも巨人戦ではないだろう。
そんな魅力も含めて、今回の都市対抗野球というのも2年連続であったが濃密なエネルギーの満ち溢れるような試合を楽しめて良かった。
筆者は試合終了後前回紹介した、東京ドームの隣の小石川運動場にある小さな人工芝グラウンドで、サッカー・関東1部リーグ(J5に相当)の試合に向かった。
追記…2017年7月15日は午後2時に都市対抗野球を観戦し、夕方から前述の東京UvsVONDS市原の試合を観戦しましたが、今後のブログ記事の流れを考慮し、UPする順序を逆にしました。悪しからず。



