いきなりスポーツと全く関係のない話をするが1997年11月に山一證券が2600億円の違法簿外債務が発覚し、経営破綻に追い込まれたというニュースがあった。
この時有名だったのが最後の社長であった野澤正平社長の「社員は悪くありませんっ‼︎」と本来なら公共の場では涙を堪えることをよしとする日本人(しかも経営者)が、号泣しながら廃業を宣言するという衝撃的な映像だった。
この時大学生であった筆者は「何言ってんだ。この爺さん」と思っていたが、あとあとの話で、この野澤社長は旧経営陣の違法行為による廃業の後始末を押し付けるため「だけ」に傀儡として4ヶ月だけ社長になったという話だ。2017年のエアバッグのタカタや神戸製鋼の無資格検査問題といい、日本人エリートの醜態というのはこの頃から昔も今も全く変わっていないのが分かる。
脱線した話を戻そう。そんなヘドが出るような旧経営陣の嫌われ役を押し付けられた野澤社長の、号泣しながらの一世一代のあの強烈なインパクトがある謝罪映像。
しかし人生とは塞翁が馬であり、また捨てる神あれば拾う神ありともいうが、あの謝罪会見により野澤社長は後に他の小さな証券会社の社長などを歴任することになるから人生は分からない。
この話を知った父は現在の野澤社長の映像を「彼は(山一以外にも)社長になったんだよな」と見たことないような尊敬の念の表情で見ていた。
個人的な話だが父というのは勤めていた会社で悪く言う人がいないくらい慕われた人望のある社員だった。その父があれだけの表情をするのだから、当時の野澤社長の凄さを伺い知れる。
と、ここまで団塊世代の尊敬について述べて来た。②では(このブログを読んでいる団塊世代には一緒にするなと言われそうだが)我々団塊ジュニアの尊敬について、本来のテーマであるスポーツと絡めて説明したい。